価格が安かったので購入しましたが、内容は完全版でなく要約されたものでした。
主人公の「私」が慣れないお屋敷でまごつきながら過ごす場面など、細かい描写がほとんど省略されてしまっているのが残念でした。
逆に原作のまどろっこしいとも言える点描が省かれている分、テンポのいいサスペンスとして楽しめると思います。
家政婦に「お料理のソースは何になさいますか。」とたずねられ、すっかりとまどってしまう「私」。
お客様にいつお茶を注げばいいのかわからず、どぎまぎしてしまう「私」。
この小説の醍醐味とも言えるこういったシーンがないと、やっぱりつまらないかな…というのが正直な感想です。