普段どうしても胸部レントゲンを見る機会が減っているため、復習のために購入してみました。
以前に第二版の日本語版を購入したことがあったのですが、今回は第三版ということで、大きく変更がない章もありますが、3D-CTなどの写真が増えていたりと、時代に合わせてupdateされている部分もあります。
英語自体は平易で特に問題ないと思います。
あいかわらず、随所に小ネタがちりばめられていて、ところどころで笑わせてくれます。
この版では、CD-ROMが付属していて、本体に収まりきらなかった画像、症例が入っていて、本文と同じような設問形式で勉強ができます。
できれば、もう少し解像度を上げて、電子カルテ並みの写真が見られればよかったです。正直、あまり解像度が高くないので、見にくいのは確かです。
初めて胸部レントゲンの勉強をされる方、久しぶりに復習される方、などが、胸部写真の基本から勉強するのに適した教科書だと思います。
おすすめできるものだと思います。

臨床医師6年目です。内科への転科を機に、胸部写真の本を一度きちんと読もうと思い購入しました。ほかのレビューに書かれている通り、基礎の基礎を系統立てて説明はしてありますが、情報量が少ない。(英語は平易)この内容量でこの値段?と思わざるをえません。日本医師会の「胸部X線写真のABC」のほうが、情報量が豊富で、かつこのFelsonに書かれていることは全て網羅しています。Felsonより安いし。
英語が平易なために、かえって「ABC」より読みやすいのは事実ですが、皆少しもち上げすぎでは?内科の病態生理を平易な言葉で説明した学生用のシリーズSTEP内科学の英語版放射線学って感じです。

～この本を読むことで読影の順序、解剖学的位置（lobes, segments)、代表的所見（silhouette sign、air bronchogramなど）を、step by stepで身につけることが出来ます。全十二章です。それぞれの章立ては読み切るのに無理のない分量です。使われている英語も簡明で辞書を引くことはほとんどないでしょう。
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読影が苦手で今まで適当にお茶を濁してきましたが、この本のおかげで改めて読影に関心を持って取り組むことが出来そうです。大学卒業して以来まともに読影の指南書を読んだのはこれが初めてです。ちなみに読みはじめてから読了まで、仕事の片手間で二十一日間かかりました。巻末のクイズに取りかかる頃には前の章の記憶も曖昧になっており、必要箇所を再読、～～三読して活用する本だと思いました。～

写真が多く、英文は平易｡
大切なことが､順序だてて繰り返し説明してある｡
通して読むだけで胸部X線の見方が変わる本｡
英語に慣れるためにも､負担が少なくてお勧め｡

日本の類書はごたごたと書いてあり、論理の流れがないように思います。この本はスーと頭に入ってくる明快な説明が魅力です。次のようなことがわかります。
1 minor fissureがあるのは右肺だけであり、側面像ではminor fissureは右major fissureで終わる。minor fissureが終わる所が右major fissureであるから、これで右major fissureと左major fissureを区別できる。
2 側面像で左横隔膜を右横隔膜と区別するには次のようにする。
左major fissureの終わる所が左横隔膜である。
低いほうがたいてい左横隔膜である。
すぐ下に胃泡があるのが左横隔膜である。
前が不鮮明な横隔膜が左横隔膜である。なぜなら心臓の底部は左横隔膜に接するからである。
3 正面胸部Ｘ線写真では、S6の一番上は大動脈弓の高さである。
4 結核の再発はたいていS1かS2であり、S3はまれである。一方S3の癌はよくある。
5 左右のS5は内則で心臓に接し、後方でmajor fissureに接する。だから心臓の右側が不鮮明ならば右S5に病変があり、心臓の左側が不鮮明ならば左S5に病変がある。
6 左右下葉は横隔膜に接する。だから右横隔膜が不鮮明ならば右下葉に病変があり、左横隔膜が不鮮明ならば左下葉に病変がある。
7 下行大動脈が見えなければ、左下葉か胸膜腔か後部縦隔に病変がある。
8 横隔膜の正常な位置は第９〜第１０後部肋骨である。