ひとによっては窮屈を感じるほどの威厳、堅物ぶりで身の回りを律する一方、積極的に新しいものを取り入れようとした、明治の創生期(混乱期)に適したマネジメントのスタイルが見えてくるような気がします。
印象的だったのは、薩摩藩の改革時のエピソード。昔の門閥や家老を全て藩の重役から外そうとしたとき、藩主久光が大変怒り、大久保を呼び付けたが、利通は頑として応じず、藩主は烈火のごとく怒って「系図もなにもこうなっては用がないから、焼いちまえ」と言ってブルブルふるえたそう。それでも意志を貫いたということは、自己の利害関係よりもマクロの藩や日本の利害を優先させる強い意志があったからなのでしょう。上司に弱いサラリーマンとしては、時として見習うべき姿勢、と感じます。