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伊藤博文直話 (新人物文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新人物往来社
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(幕末ファンに)もっと評価されるべき人物 ★★★★★
本書は人物談、実歴談、憲政談、修養談、実業談と大きく五つにカテゴライズされ、さらに細かく章立てされてあります。
人物談では大久保、木戸、岩倉らを各々数ページをさいて語ってますが、高杉に関してはたった2行、井上馨に関しては採り上げすらされてません。
とはいえ本書の約半分を占める実歴談において、盟友二人の活躍ぶりを存分に語ってくれてます。安心しました(笑)
憲政談では憲法や政党の在り方。修養談では人生哲学等、また観光ビジネスについて語っていて興味深いです。
実業談は鉄道創設のことなど。

なにはともあれ明治史に興味をもたない幕末ファンの方々に読んでいただきたいです。
伊藤は凄い人です。
これを読めば坂本某が小粒に見えてきます。
興味深い ★★★★☆
明治にはこのような聞き語りが新聞の記事として好まれ、勝海舟なども幕末の動静と
本人の思いを遠慮なく語っている。伊藤博文が幕末から明治の激動期にどう考えどう生きたか
同世代の人物評を交えながら語るのを読むと、若さゆえの行きつ戻りつはあるが心情を率直に
語り、行動した命の輝きを感じる。彼の愛読書が日本外史でなく日本政記(どちらも
頼山陽だが)だという点にも注目しておく必要がある。当時の尊王思想の背景をなした本で
もっと注目されてもいいが、頼山陽の思想の大胆率直さのせいで戦前でも忌避に触れる部分が
あるとして全編の訳述が許されなかったほどで、そうだろうなと思う。
日本外史が彼ら維新の志士達の思想的背景になったと言われるが、本を読むとやはり政記が
重要な位置にあった。(政記は昭和57年の安藤英男さんの論文部分全訳が一番新しいもの?)
維新史に興味を持つ人は、自分の理解と伊藤の語る維新史の比較が楽しく、読んで面白いでしょう。