切ない結末。傑作でした
★★★★★
いよいよ最終巻。
前巻で結ばれた月子とタクロー。しかし、タクローは会社の同期の女性と急接近。それに嫉妬した月子は...
仮想現実と現実との間での変な三角関係が、現実世界の滅亡を招くことになるのか?
といったところで、ちょっと飛躍はあるけど、とっても面白い展開だった。結末は切なくて話せないけど、いい話だった。もっと続いてもいいような傑作だった。
さらばよ英雄
★★★★★
ラインハルトよ。
お前は男だ!
一番すきだったよ。うん。
読み終わる前にカバー裏の表紙は絶対に見てはいけません!危険!
断じて"打ち切り"ではありません!!
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遅れてきたファンの一人です。
でも、そのおかげで4巻まとめて読むことができました。
色々な方が"打ち切り"だと断言していますが、散在する作者のコメントを見る限り、当初4.5巻分あった構想を、中だるみしそうだったので4巻分に凝縮させただけ・・のようです。
後半の急展開もスリリングで、いらない心配をする暇もありませんでした。
それに、単行本4冊で見事に"起"、"承"、"転"、"結"と分かれているのも、素晴らしいとしか言いようがないと思います。
デビュー作だからこそ傑作!!
★★★★★
連載時から気になっていた作品だが、4巻までを通して見てみるとあらためてそのレビュー評価の高さに納得させられた。花沢健吾氏の連載デビュー作なのだが、現在連載されているボーイズオンザランは、ある意味(哲学的な用語の)ルサンチマンなのだが、前作の打ち切りなどの影響からなのかリアリティ感を出そうとしているが、作品にリアリティを感じることはできず逆に感情移入されにくい作品になってしまっているのではないだろうか。そういう意味でもルサンチマンはバーチャルの世界観にょって読者のの深層に影響を及ぼし、また近未来のバーチャル感によって余計リアリティを感じているともいえる。最後のバタバタ感は、打ち切りが決まった作者のある意味ルサンチマン的感情が隆起した部分といえるが、エピローグに関しては作者のセンスを感じ取ることができ傑作といえる作品に仕上がっていると思う。作者のルサンチマン外伝的作品を見てみたい気がする。
叩きのめされました
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これタイトルもものすごくいいです.
一般的なモテないオタクを対象とした現実逃避の漫画・小説・ギャルゲーその他萌え産業の搾取アイテムは,ヘタレの主人公がなんだかしらねーけどカワイイ(ロリっぽい)女性(少女?)から一方的に好かれて・・・という王道を歩むものですが,この漫画はそういった既存の搾取品とは一味も二味も違うのです.まず主人公のスペックが酷すぎる.そういう搾取品は「モテない主人公」を歌いながら実際は見るに耐える(普通にカッコいいんじゃない?)っていうレベルですよね.なぜなら読者の分身である主人公がビジュアル的にあんまり酷すぎるとリアルすぎてバーチャルな世界に入り込めないから.でもこの作品は違う.現実を現実として読者に直視させる.「このきったねえ主人公はお前とどこが違うんだ?」と.
だからこの作品は残念ながら連載が打ち切られたのも納得です.現実を直視できない(したくない)読者はわんさかいたと.当然萌え系の漫画だからバーチャル世界のヒロイン月子や現実世界のヒロイン長尾ときったない主人公はイチャイチャするわけですが,それでも読んでいる方は強烈な痛みが襲ってくるわけですよ.カッコ悪い主人公が自分をいやがおうにも現実世界に引き込ませる.その手腕が見事であるなと.
漫画や小説,映画に求めることは人それぞれだとは思うけれど作品から現実世界に戻ったときの爽快感の比重って概して高いですよね.その点から見ても『ルサンチマン』は抜群の後味です.いや,痛いんだよ.でもその痛みがあるからこそ,内面に引きこもるような自己完結を許さない作者のメッセージ性の高さを感じるのです(これホントに長編デビュー作なのかね?).現実よりもバーチャルの優位性を語る主人公の友人越後は確かにカッコいい.でも世界を救って彼は一体どうなるのか? そこを饒舌に語らないラストも素晴らしいと思う.そして最終4巻の表紙の彼女は誰で何をしているのか,そこまでを自分で気付くと,読了したときに思わず涙を流した読者がいたことも納得できます.
本当に素晴らしい作品.現実逃避のモテない男性に是非読んでもらいたい作品です.