千葉の方の名も無い浜の別荘で、高次は奈津子と同棲していた。
　高次は、些細なことから上司を殴り、十日で会社をクビになっていた。奈津子は気が強く我が儘で、殊に近所に住む心優しき陶芸家の剛さんを毛嫌いしていた。高次は、そんな奈津子と同棲しながらも、社会と折り合いを付けたいと思い始めていた。ある日高次は、偶然昔の友人の信と弘樹に再会する。高次は、弘樹が交際している森さんの友達の秋代にひかれてゆく。次第に高次の気持ちは奈津子から離れ、関係は逆転していく。高次は奈津子に内緒で秋代と付き合い始める。秋代との未来が、高次の中で芽生え始めた社会復帰の願望と一致する。奈津子には何も知らされぬまま、別れる準備は着々と進められていた。ついに別れを切り出すその朝がきたが、奈津子の姿は既に二人が暮らす別荘から、猫のルーテルと共に消えていた。奈津子に対する未練を振り解き、新しく建設的な未来へ進んでゆく高次に、少しずつ事の真相が見え始めるが…

【ページ数】
Kindle Fire----------上巻：約151ページ、下巻：約140ページ　上下巻合計：約291ページ（フォントサイズ3で、1ページ約42文字×12行）
Kindle Fire HD----------上巻：約138ページ、下巻：約129ページ　上下巻合計：約267ページ（フォントサイズ3で、1ページ約42文字×13行）
Kindle Fire HD 8.9----------上巻：約99ページ、下巻：約91ページ　上下巻合計：約190ページ（フォントサイズ3で、1ページ約49文字×17行）
Kindle Paperwhite----------上巻：約141ページ、下巻：約131ページ　上下巻合計：約272ページ（フォントサイズ3で、1ページ約36文字×14行）

上下巻字数合計　約102300字　原稿用紙換算（400字詰）約300枚

・上記のページ数には、表紙などは含まれません。
・端末は縦向きです。
・フォントサイズは３の設定です。
・上記以外の端末については、上巻下巻字数合計等をご参照ください。