この本はある領域の初心者がどのようにしてその領域で熟達していくかを扱っています。つまり、自分の行動に対して省察できるような実践者をどう育てていくかが関心事となります。第一部ではこの本の理論的基盤を打ち出します。したがってここでは、行動の省察の中で知をどのように用いているかを理論的に考察しています。第二部ではこの理論的考察を受けて、事例を取り上げて考察をしています。主に建築をデザインする学生と指導者の間でのやり取りを中心としています(ここでは建築用語がたくさん出てきます)。第三部では様々な領域でなされる実習が、省察ということに関してどのように機能しているかを再び例を挙げながら見ていきます。取り上げらあれている例は音楽、心理療法などです。そして第四!部では理論と実践という問題をどのように融合させていくかを考察しています。より具体的に言うと、省察できる人材を生み出すためには教育機関はどうあるべきかを考えています。ここでも例を挙げながら話しを進めていくので具体的に考えることができます。
この本全体を通して、多くの事例を自分のケースに当てはめることができると思います。自分の日々の実践(どのような領域であれ)を見つめなおすいい機会を与えてくれます。