命を削ってなされる作業
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美里さんと長谷川先生の講演会を、昨日聴いてきたばかりです。
壮絶な(こんな簡単な表現で片付けてはいけないのですが)体験を、一語一語、言葉をきちんと選んで、探って話す美里さんがとてもつらかったのは私だけでしょうか。
美里さんの作品は、今までにも何度か読みましたが、自身の人生について書くことも、昨日のように話すことも、命を削ってなされる作業なんだ・・・改めてそう思いました。
虐待する側もされる側も同じ闇の中にいる。耐え難いいじめにあっている時、遠く離れたところからそれを見ている自分がいる。
「ファミリー・シークレット」にサインをしてもらいました。「痛みを悼む」と。
美里さんの心がどうか救われますようにと願わずにはいられない一冊です。
果たして……
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帯から目に飛び込んでくるのは「子どもなんて、いなければよかった」の衝撃的な告白。
これが少女時代の柳美里が、親から受け続けたメッセージ(直接・間接)であることに、読者は気づけるだろうか。本人自身もそれをまだ自分の意識のもとに置けていない。
深い癒し、和解への道のりは遠い。その一歩を踏み出したと言えるが、この先は彼女の「セルフ」の力を信じたい。
虐待を克服するための「心理臨床」は、甘いものではない。
担当カウンセラーより
子供たちの未来のために
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子育てをしたことのない人には苦労が分からないとよく言いますが、
知ろうとする想像力さえあれば、そんなことないと思います。
けれど私はずっと、虐待をする人の気持ちが分かりませんでした。
愛する我が子にご飯を作らなかったり、殴ったり、閉じ込めたり・・
この本では、まずは「知る」ことから始めよう、と教えられました。
毎日、新聞テレビで報道される虐待事件を無くすことはできませんが、
とにかく「知る」ことを始めようと思いました。
自身で判断してみてください
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「子育て」と「虐待」は、紙一重だなと思います。
この本も、読み手によって虐待と感じるか、
自分の事のように痛いと感じるか、さまざまかな。
柳さんのファン、
アンチ柳さん、
柳美里を知らない人。
独身の男性女性、
子育て中の方、
自身が被虐待児だったり、
親に叩かれたことなどないのに
自分の子どもに手を上げてしまう人。
虐待なんて許せないと言う人も。
それぞれの方たちがどんな風に感じるのかわかりませんが
一度読んでみてはいかがでしょうか。
闇の中の光
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私の母は3年前に旅立ちました。
それでもなお、私は母を許せずにいます。
真面目で一生懸命なひとだったと思います。
かわいそうなひとだった気もします。
親子でさえなければ、距離をもった他人だったら、無二の親友になれたひとかもしれません。
この本を、母と一緒に読みたかったと思います。
叶わない願いですが・・・
一緒に読むことができたなら、読後感を語り合うことができたなら、もしかしたら、何かが少し変わっていたかもしれません。
あの暴力は、あの束縛は、あの言葉は、反対側から見れば何だったのだろう・・・
一生、大切に傍におきたい1冊です。