緒方さんの仕事の一端が分かる
★★★☆☆
元国連難民高等弁務官だった緒方貞子さんの講演録と質疑応答。本書を通じて、国連での難民対策がどのように行われているか、その一部を理解することができる。
理想論では片付けられない発展途上国での内紛に起因する難民を如何に減らしていくか、本書は具体的な事例を交えて書かれている。地に足の着いた問題解決活動とはこういうことか、と納得した。私自身の生きている世界は、緒方さんが弁務官時代に経験された世界とは比較にならないが、自分が困難だと思っている日常の課題であっても、糸口を見つけて解きほぐせば解決できるのだろう、と再認識した。本書をきっかけにして、緒方さんの他の著作にも目を通していただければと思う。