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緒方貞子 ―難民支援の現場から (集英社新書)

価格: ¥693
カテゴリ: 新書
ブランド: 集英社
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緒方貞子氏の伝記とイラク戦争の意見 ★★★★☆
初めは、緒方氏の生い立ちや経歴が述べられている。
そして、緒方氏の主張や考え方やリーダシップの取り方などは、最後の方に集約されている。

最後の方に述べられている緒方さんの考え方や行動力についての記載は何度も繰り返し読みたくなる。主に、アフガニスタンのテロに言及がされており、日本がどのように立場や政策をとればよいかなどが書かれている。

UNHCRの本質的仕事についても書かれていて、NGOなどに興味があり、それらに関係する仕事に就こうと思う人は読むべきだと思う。

全体を通じて、緒方氏の難民に対する熱い思いが伝わり、日本人としてどうあるべきか、また、グローバル社会の一人としてどういう考えを持つべきかなど考えさせられる内容である。
自分にもできることって ナンだろう ★★★★★
緒方貞子さんに インタビューして書かれているこの本は
聴き手が存在することによって 緒方さんの姿が ぐるっと全体に伝わってきてとても興味深かった。

行動のもとになっているエネルギーは何ですかという問いに
「怒り」かもしれない と彼女は答えている。
これは承知できませんという気持ち
がっかりするよりも 何とかしたい 
こんなことは受け入れられない。
怒りの中には深い想いがある。
この世界の人たちのこと、この世界でおこっていることが
他人事でないことを最もわかっていて、そのために自ら行動をおこせる類まれな存在なんだと思う。

この人の存在を誇りに思うと同時に
創造と変革をおこせるリーダーであり そして ただついていきたいというだけでなく
その人をみて自分の成長も信じられるような 
そんなリーダーが この国に果たして何人いるだろうと ふと思ってしまった。
思ってしまった瞬間 それも 他人事の観点だったなと・・・
どこにいても自分にできることが何か そこをいつも忘れないでいたいと思う。
自分がこの国のこの土地に足をつけていられることにも感謝しよう。

国連を一時去るときに残したメッセージがとても印象に残っている。
あらゆる苦難を経験されて立ち向かってきたこの人がいう「リスペクト」は とても重い。
そして愛にあふれている♪ 
凄い。 ★★★★★
とにかく読んでおいたほうがいいです。

こういう政治家がいたらいいのにな〜・・・と現状を見ていて心底思いました。
世界に誇れる日本人のお一人が緒方貞子氏だ。 ★★★★★
緒方貞子氏の仕事振り、その考え方、姿勢に深く感銘し尊敬する。クルド難民、旧ユーゴ紛争、ルワンダ難民、アフガン難民支援、同時多発テロにイラク戦争と、1990年から国連難民高等弁務官として世界の難民支援を指揮した10年間の重責にただただ「すごい方」と思う。国際政治を研究するに相応しい環境と由緒正しい家系にあった方が、ここまで悲惨な難民支援という世界に足を踏み入れた日本人は少ない。女性外相が髭の次官を叱りつけるのとは訳が違う。女性防衛相が米国やパキスタンに行くのとは訳が違う。緒方氏は記者会見で「Call me Madame Sushi」とは言わない。本書の巻末に、1999年3月Washington D.C.での講演、「日本、アメリカと私・・世界の課題と責任」の和訳に触れることが出来る。米国と日本への警鐘を鳴らすその内容は圧巻である。また集英社編集部の訳がとてもうまい。尚、本書は著者の東野真氏のインタビューで構成されている。本当は緒方氏の著書を読みたいものだ。また各地の難民のことも日本人はあまりその背景を知らない。よって文春新書の「新・民族の世界地図」が最適と思うが、併せて読むとより理解が深まるのでお薦めだ。
小さな巨人 ★★★★★
本書では前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんの活動を紹介・分析している。文中、彼女を「小さな巨人」と呼んでいる箇所がある。読みすすめていくうちにそれが彼女を一言で言い表す言葉であろうと感じた。

彼女を長としたUNHCRの職員は、難民に対して常に彼らの傍らにいるという姿勢を通した、砲弾の飛び交う戦地でも、飢餓状態のキャンプでも。武装勢力に脅されたりすることもたびたびであり、職員が命を落とすケースもあった。非武装の人道支援団体としては、武装勢力に対抗する手段は会話と説得のみである。

それを十年貫き戦い通した緒方さんはまさに「小さな巨人」と呼ばれるにふさわしい存在であり、彼女が日本人であることをもって自分は日本人であることを誇りに思えた。

本書は彼女の高等弁務官の経歴と女史へのインタビューを中心に構成されており、時折周辺の人々の当時の彼女に関する回想などを交えながら進んでいく。

後半の一部に高等弁務官を引退した彼女が日本政府に対して苦言を呈した発言があって、現在の日本の欠点を的確に表現していると感じた。

日本が救済するために認定した難民は、過去二十年で三百人程度なのにエンターテイナーとして訪日する外国人は毎年十万人近くいる点を挙げて、「エンターテインメントの方が難民より優先されているのか」と指摘する。

最近読んだ本の中では最も感銘を受けた。一人でも多くの日本人が本書を手に取ることを願ってやまない。