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増補 サブカルチャー神話解体―少女・音楽・マンガ・性の変容と現在 (ちくま文庫)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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風俗の分析本は貴重だ ★★★★☆
正直、1回読んだだけでは内容が完全に理解できたかどうか自信がない。
それくらい難解(というかわかりにくい)本だ。
年齢的には作者とほぼ同じなので、提示されている例は
ほぼ自分の体験として実感できたが、ノスタルジーを越えたかどうか?
ただこれだけの規模の若者風俗の分析は他にないので貴重だ。
上野千鶴子があとがきでまとめてくれているので理解の助けになるが、
確かに強引な論調や自慢も散見される。そこのところをマイナスとした。
1993年以降の分析が欲しい、とはみんな思うだろう。
オウムやインターネット、携帯電話の普及が現代の若者風俗を
この本の範囲から大きく変えてしまっているのは間違いないのだから。
ズバリ名作 ★★★★★
名作ですね。

10年以上前に書かれた物ですが
確実に今に通じている。
そして今、宮台氏が何を語るのかが知りたいが
この本を読んで「ミレニアム」を超えた
現在の解釈がより鮮明に見えた。

理論的で私的でない。
某人気哲学者の社会論とは別格。
非常に筋が通った書物で目から鱗。

感動した。
そして現在の「社会」に頭をもたげた。
知らぬが仏のこの時代に ★★★★☆
サブカルチャーから見えてくる現実は本当に部分的なものでしかない。
みんながみんなサブカルチャーを享受できたわけでもないし、したわけでもない。だとしたら
本当に局所的な話になってしまう。そこらへんも宮台さんには言及して欲しかった。

これは自体的なものではなく、「何かについてのもの」を宮台が観察して、現実は実はこうなっていますよと分析する。
ここには過剰な分析しかない。〜べき、〜しろ、という当為命題めいた言葉もない。だから
どうなんだよ、こんなガラクタを宮台が観察し分析し、それを俺等が享受したとして、でこれは何かの役に立つのかと合理性に偏った話で切り返されたら、恐らく返す言葉はないだろ。宮台さん的にはそういった言葉織り込みずみで、戦略のうちか・・いわずもがなのことを言ってすいませんby仲昌氏

概して非常に冷ややかな印象を受けた。「制服少女たちの選択」の後半部分のあのロボチックな語り口というか。あえて思考し体験する機械に徹したか。浅田彰の言葉を借りれば、シャープに抉ってくれました、宮台さん、という
感じ。
あまりに大胆、あまりに精緻 ★★★★★
90年代が生んだ知性の1人。
好き嫌いを別に宮台真司が社会を題材に観念的にばかり語るようになって久しい。
「リベラリズム」だ「亜細亜主義」だ「意味から強度へ」「社会から世界へ」…
やっぱり観念的だなぁそう思ってた。

多分現在の彼にアンチとシンパしかいないのは、具体的じゃないから理解しにくいためだろう。
昔は、女子高生、オウム、少年犯罪などを鮮やかなまでに斬っていた。

で、この著作の文庫化。80年代までのマンガと音楽と性。
好むサブカルチャーからの人間のコミュニケーションの傾向分析。
具体的で面白い。そして、キレ味が滅法鋭く大胆だ。
90年代に青春があった自分には上の世代のことだけど、残り香は解る。
90年代初頭はこの本のジャンル分けと人格分析の関係をみんな感覚的に了解してた。
それを見事なまでにえぐり出し分析してる。精緻なデータ、論考。

社会学者の力量はこの1冊に開花・凝縮されてる。
サブカルチャーから当時の社会が透き通るほど「見える」・「解る」良書中の良書。

なお、増補の前書き、後書き、他の文庫化された本などで、
サブカルチャー神話解体の続巻や、彼による社会学の入門・解説本が予告されている。
最近はポッドキャストの具体的な社会批評以外、全く面白くないと思っていたが、
(できればいずれまとめて社会学書の各論にでもしてほしい)
僕の青春と現在がある、90年代以降の具体事例を「期待水準」と「願望水準」のコードなどで
近いうちに再び鮮やかに斬ってくれると期待したい。