G型仕事人養成講座 (40歳からの外国語シリーズ)
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40歳からの外国語シリーズ第7巻 グローバルに活躍できる人材になるために必要な語学以外の7つのスキルについて、実戦経験をもとに解説しています。
海外で働いている方、これから海外で働く方、国内で海外と仕事をしている方、外国人を上司に持つ方必読の本です。
<はじめにより>
これまで、私は語学に関する本を何冊か書かせていただきました。
それらの中で私はこれまで常に、語学を「海外で仕事をするため、あるいは海外と仕事をするために必要なツール」という位置づけでお話をしてきました。
ところが世の中には、「英語(外国語)ができなくても仕事ができる人間であればいい」とか「英語(外国語)ができても仕事ができないヤツはダメ」といった語学と仕事を切り離して考える方が結構いらっしゃることには驚いております。
つまり語学軽視型の人がたくさんいるということです。
その一方で最近地下鉄の中で見かけた某会話学校の「その国は、英語だけが足りない。」というキャッチコピーにも非常に驚きました。
日本人は、海外で結果がだせるだけの語学以外のスキルをすべて持っているとでもいいたいのでしょうか?
これは語学以外の能力について軽視しているのではないかと思います。
また、最近のTOEIC高得点イコール海外で活躍できるという短絡的な考え方に危機感を覚えています。
TOEIC高得点の方自身は、むしろそれだけで海外で活躍できるとは思っていないのですが、周囲がそういう目で見ているという状況はゆゆしき問題だと思っています。
そこで、「40歳からの外国語シリーズ」ではこれまで語学だけに焦点をあててきましたが、今回は語学以外の部分について焦点をあててお話をすることにいたしました。
結論から申しまして、語学のスキル、仕事のスキルどちらもなければ、海外と仕事をすることは難しいと思います。
この本の中で、私は海外と仕事をする人、あるいは海外で仕事をする人を「G型仕事人」という言葉を使って話をしていこうと思います。
Gはグローバル(=Global)のGなのですが、昨今あまりにもグローバルと言う言葉が、安っぽく使われていますし、そもそも私自身がグローバルという言葉を連発する人を信用していません。
だから、グローバルという言葉を使いたくないのです。
そこで「G型仕事人」という言葉を使って話をすすめていきたいと思います。
さて、それではここから40歳からの外国語の第7巻として語学とは直接関係ないかもしれませんが、G型仕事人になるために絶対に必要なスキルについてお話をしたいと思います。
具体的には、コミュニケーション力、組織運営力、情報収集力、決断力、交渉力、プレゼンテーション力、文化・習慣への理解の7つのスキル・知識についてお話します。
これらのスキルはどれひとつとっても一冊の本になってしまうようなものです。
詳細、各論については別の機会にゆずるとして、この本では、ハンドブック的に重要なスキルについての解説とそのスキルを身につける方法についてお話します。
ところでみなさんの中には、なぜ私のような無名な存在の人間が海外で仕事をすることを書いているのか不思議に思っている人もいるかもしれません。
また「無名の人間が書いていることだからたいしたこと書いていない」と思う人もいるでしょう。
それらの疑問について、私はこうお答えしておきます。
まず名の通った著名人の方たちは、海外で仕事をする場合、サポートする人がたくさんいるのが常ですし、仕事をする相手も著名だったり地位が高かったりします。
つまり双方ともそれなりに国際感覚を身につけている人たち同士の話が多いのです。
だから異文化のギャップに悩んだりすることはありません。
そういう方たちの仕事ぶりというのは、この本を手に取っている読者のみなさんにとっては、期待で胸がワクワクするようなことがあっても実際の現場では役立たないでしょう。
雲の上の人々の話だからです。
天に帰った後のかぐや姫の話から教訓のようなものを得ることはできません。
特に海外での仕事というのはもっと泥臭いものです。
また、この分野ではコンサルタントの方が書いている本も多数あります。たしかに数的には私よりはるかに多くの企業と接してきていますので、エピソード・事例には事欠かないでしょう。
しかしコンサルタントは所詮余所者です。
傍観者とまではいいませんが、ある事業に進退をかけている当事者とはビジネスに対する思い入れも迫力も違うと私は思っています。
その点から言いますと、ここで紹介しているノウハウは効果が実証済であり、きちんと地に足がついたものであると思っています。
そういう意味でこの本は身の丈にあった、しかもリアルなことを書いたものになっていると思います。
つまり、この本はこれまでのシリーズと同様に、私の経験を基にしております。
そのために、この本にある話題がどうしても日系メーカーの海外子会社への赴任者のことが中心になってしまうことをご容赦いただきたいと存じます。
とはいえ、話の内容自体にはかなりの普遍性があると自負しております。
この本をきっかけに1人でも多くの日本人がG型仕事人として世界で活躍することを心から祈っております。
<目次>
はじめに
第一章「G型仕事人」
政府のグローバル人材の定義
G型仕事人の定義
G型仕事人に必要な能力とは
第二章 コミュニケーション力
コミュニケーションは難しい
コミュニケーションの定義
コミュニケーション力を養う
類型化しない
第三章 組織運営力
組織なしで仕事をするのが難しい理由
組織運営力をつける
組織の賞味期限を知る
バカになることを怖がらない
第四章 情報収集力
情報は切り取られている
情報収集力を養う
日本のガラパゴス化が進んだ理由
第五章 決断力
決断できない日本人
決断力と会議
決断力をつける
第六章 交渉力
交渉もヘタな日本人
交渉力を養う
いつも勝とうとしない
交渉と時間
立場と課題を切り分ける方法
『立場』と『課題』の別の側面
第七章 プレゼンテーション力
プレゼンテーションの組み立て
ポイント1 使用言語で考えて組み立てる
ポイント2 オーディエンスを意識する
ポイント3 結論が先
ポイント4 3つの絞る
ポイント5 PPT(パワーポイント、あるいは紙芝居)はシンプルに
ポイント6 質問への準備への準備も忘れずに
プレゼンテーション本番で
ポイント1 主役はあなた
ポイント2 聴衆をひきつけるテクニック
反面教師を利用しよう
さらに上を目指すなら
第八章 文化・習慣に対する理解
何を知るべきか
勤労習慣
スポーツ
歴史
相手の国のことを知るために
自分の国のことを知ること
ユーモア・ジョークの持つ危険(リスク)
みじかいあとがき