論理的思考の枠組みや、MBAで学ぶ経営理論の基礎を紹介した本は山ほどあるが、本書はあくまでこれらの理論を実務にどう活用するか、といった点から書かれている。「日本国内で鉛筆と万年筆は年間何本売れるのでしょう?」といった、コンサルティングファームの入社試験に出てきそうな問題や身近な話題を中心に、論理的思考とクリティカル思考、クリエイティブ思考の違いなどを説いていく。もちろんMECEやピラミッド型思考、マインドマッピングなどの枠組みや、コンサルタントのツールなどについてもきちんとカバーしている。
対人力に関する内容が少ないのが若干気になるが、MBAの思考術を身につけるための本としては、内容もこなれており、好感が持てる。(土井英司)