著者は、アメリカの訴訟コンサルタントであり、法廷で勝つための心の持ち方、振る舞い方を指導する専門家でもあるフィリップ・マグロー。「人生は法廷に似ている。勝つか負けるかしかないのだ」をモットーに、独自のライフストラテジーを語っている。
著者は、人生はゲームと同じで、ルールをわきまえた上で計画を立てて実行すれば誰でも勝ち組になれるという。本書はそのルール、つまり、人生を戦略的に生きるために知っておくべき世の中のしくみを教えてくれる。と同時に、現実の自分と理想の自分とのギャップを把握させてくれ、そのギャップを埋めるために何をすればいいのかを教えてくれる。人生のルールを知り、夢へのギャップを認識し、ギャップを克服するために戦略的に生きれば勝ち組になれるというわけだ。
本書がすぐれているのは、精神論ではなく、現実主義的な哲学に基づいて書かれていることだ。「あなたは間違っていない」などという慰めの文句はここにはない。あるのは、夢を夢のまま放置している我々の言い訳をはぎ取るための叱咤(しった)の言葉と、本当の人生に取り組む上で役立つ具体的なアドバイスである。
「自分には今以上のことを成し遂げる能力がある」「今の仕事でもっと稼げないことに不満だ」「やりがいのない仕事を無気力に続けている」。もしもこんな思いに捕らわれているのであれば、本書を一読してみてはいかがだろうか。思わぬ発見があるかもしれない。(いわむらちえこ)
本はあくまで参考、実践は自分自身!!