お釈迦様が仏教を始めたきっかけというのは、世の中の人を苦しみから救いたいという事だと歴史でならった記憶があります
とすれば、この著者が般若心経を使って私達に説明してくれた事は十分に、私達の役に立っていると思います
普通の人が理解の出来ない、高度で専門的な仏教理論よりは、多少、解釈が正しくないとしても現実の生活で役に立つ本のほうが、私にとってはありがたいです
お釈迦様も、こういった本で自分の伝えたいことを紹介してもらえるのは嬉しいのではと思います
「ブッタの教えは、・・・苦からの脱出法につきます。]そう、誰もが悩みや苦しみを感じながら、生きています。これから逃れる知恵を教えてくれるなら、こんなありがたいことはありません。
ではその方法はなんでしょう。自分が外界の価値基準などにとらわれていることを知るということだといいます。自分が外界の価値基準を自分に要求してそれを満たされないと自分を愛することができない状態になっていることを知ることだといいます。苦は自分が勝手に作った妄想にすぎないということが分かれば、苦は去っていくといいます。
「[人の気に入られている自分]でなくとも、[競争でトップになった自分]でなくても、[たくさんの物を持っている自分]でなくてもいい、自分には掛け替えのない価値があるのだということを自分で信じること」。これが苦からの脱出法だというのが、筆者の仏教の読み方です。
CDも評判悪いようですが、CDを聞きながらこの本を読むと穏やかな気分で読めましたので、自分はそれなりに評価したいと思います。
(追記)
べビューを書いていて、思いつきました。昨今、欧米の生き方本の薄い冊子が何冊もベストセラーになっています。般若心経の本文とその分かりやすい現代語訳と解説を同様の体裁にして出版すれば、ベストセラー間違いないかもしれません。それ位の価値は般若心経にはあります。
著者曰く、「[般若心経]には仏教のエッセンスが込められていることになり、これを理解すれば仏教の本質がわかると言ってもよいでしょう」とのことで、あえて内容を浅く限定することで、仏教を身近なものにできている気がしました。般若心経のように誰でも唱えられる短いお経が作られた経緯もそこにあるのでしょう。仏教の用語を現代の言葉に置き換えた用語は、違和感のあるものもありましたが、作者の飛躍のない自然体な言葉・論理で、大要はつかめました。
CDはそれほど必要ないかも。でもお得かも知れませんね。
それが返って、仏教の内容を浅く、心に響かないようにしてしまった。
やはり、専門外の人が仏教書を書くと中途半端なものに仕上がってしまう
良い見本だと思いました。皆様、本を買うときは必ずその著者の専門を
確認してから買いましょう。