ハードでダーク、でも情熱的なVampireストーリー
★★★★★
時は現代、LucanはBreed(吸血鬼)の戦士のリーダーで、Bloodlustに陥り無差別に人間を襲う同輩Rogueを仲間と共に狩っています。彼らBreedは、実は千年前異星から来たエイリアンで、特別な遺伝子を持った人間の女性Breedmateと結ばれなければ子孫を残せないという宿命を背負っています。が、Lucanはその責務の重さ故に情の全てを捨て、Rogueを一掃することだけを目標に900年間孤高に生きてきました。
そんな時現れたのが、偶然Rogue達が人間を殺害する場面を見てしまったGabrielle。その場に居合わせたLucanは、自分を刑事と偽ってGabrielleに近づき彼女から事件の記憶を消そうとしますが、彼女にどうしようもなく惹かれていきます。実は彼女はBreedmateであり、強い意志と特別な能力を併せ持つ女性だったのです。その事実に気づき彼女から遠ざかろうとするLucanですが、同時に彼女を守り愛したいという今まで知らなかった感情に身を焦がします。
Lucanは戦士だけあり立派な体格で外目にもとても魅力的。厳格な戦士でありながらロマンチックで、Gabrielleを誘惑する手腕はなかなかです。今まで誰にも心を許した事のない彼がGabrielleに自分を曝け出して行く過程が良いです。Gabrielleもその一途さと意志の強さで彼を守り支えていきます。激しくなっていくRogue達との戦い、謎の敵リーダー、そして他の戦士達の絆と友情という見所もありで、ドラマ性に長けています。シリーズ物として良い導入話になっていると思います。
Vampireものは結構読んでいますが、この作品は重厚さもありアクションありロマンスありで、2度読み返してもハマったので☆5つです。