装束から読み取れる天皇との私的な関係と朝廷のあり方
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装束は身分を表すものとして有名だが、天皇との私的な関係を示すものでもあったという。
身分により着用できる装束の種類や色が決められているが、親しいものには例外的に上位の色の装束の着用を認めたという。
他にも、現在の私服にあたる装束での参拝が許可されるか否かでも、天皇との関係が窺えたという。
また、朝廷のあり方や価値観を表すものでもあった。
平安時代、朝廷は唐を手本に国を治めていたこともあり、装束も唐風であった。
しかし、明治維新が起きると日本文化回帰となり、今の私たちが思い浮かべる和風の装束になったという。
時代とともに変遷する貴族の装束の概要を知ることが出来る一冊。