装束の歴史に詳しくなれる
★★★★☆
表紙の重ねの写真は本当にキレイ!! でも本文中に大きな写真は少なく(絵は多い),
どちらかといえば服飾の歴史をたどる資料集として用いると良いかな,といった印象
要所要所にイラストや表,小さな資料写真が入り,説明文を補足しているので
読みやすくはありますが,アップで見てみたい箇所まで小さめなのが残念
ただその分内容はたくさん詰め込んであります
文字はやや小さめ,でも配置の工夫で読みやすい
初心者だけど,少し専門的に詳しく知りたい人には最適な,面白い本だと思います
狩衣(かりぎぬ)=スポーツウェアなど現代的な感覚で説明されているのも嬉しいですし
ミニ・コラム的な欄が個人的にはお気に入りです
復元した十二単は15〜20kgくらいあるけれど,昔の蚕の吐く糸は細かったから
生地は薄く,重さは40%程度.十二単は8kgだっただろう,とか
喪服の色は唐の制度を模倣し,「錫紵」を取り入れた…この「錫」とは
実は晒した麻布のことで色は白なのだけど
錫=金属のスズと勘違いした日本では薄墨色を用い
悲しみの深さをあらわしていくうちにグレーがどんどん濃くなって
ついには黒を用いるようになったなど,こぼれ話が楽しいです♪
全ページオールカラーなせいか,ページ数のわりにお値段高めなので
どこまで自分の中で譲れるか,本当は手にとって内容を確認してから購入を決めたい一冊
表紙がマット加工なので,手触りは良いのだけど,擦っただけで跡がつくので
光の角度によっては傷んだように見えて,それは切ない(涙)
通販という性質上,本の傷みを確認して選べないのが辛いところですね
(Amazonさん,表紙に擦り跡がありましたですよ〜.保存状態ご注意下さいませ)
うん,でも良い本です(^^)面白かった〜v 図書館とかに入れて欲しい仕上がりかな♪