多くの人に読み継がれて欲しい一冊
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何年経っても忘れようのない痛ましい事故や災害がある。日航ジャンボ機墜落事故もその一つである。事故をリアルタイムで知らない人も是非読んで欲しい。 事故当時9歳の息子を失った筆者が今も繰り返し訴える事故の再発防止や遺族・被害者を保護する制度づくりなど様々のことに耳を傾けたい。
また、筆者が25年の間にたくさんの人と出会い、支え合って生き抜かれたことも丁寧に記録されている。50代になってからソーシャルワーカーの国家資格を取得するたくましさには驚いた。
母は強い。単純な感想かもしれないけれど最後まで読んでそう思った。
事故の記憶だけでなく、この25年を考える本
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事故は大学の柔道部の合宿所のテレビで知りました。多くの人にとって、あのとき自分は何をしていたのかを覚えているほど大きな事故でした。この本を読むと事故のことはもちろんのこと、被害者家族の方が何に苦しみ、どんなことを望んでこられたのか、そして現実に何が変わってきたのかを知ルことができます。被害者家族の方、日航の方、多くの方の一言にとても考えさせられます。本の中で2.5人称というキーワードが出てきますが、その立場がこういった事件でいかに大切かと感じます。事件事故報道が毎日ありますが、この本を読んで事件への接し方が変わったように思います。
伝えていかなければならないこと
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御巣鷹山の日航機墜落事故からこの夏で25年が経ちます。
私の生まれた年に起きた事故ということで、当然記憶にはありませんが、印象的な出来事であります。
この事故で犠牲になった著者の長男・健君は当時小3の九歳で初めての一人旅であったとのこと。
自分に置き換えて考えてみると、その歳ではまだそんな経験もなく、一人で飛行機に乗る勇気なんてあっただろうか、墜落までの最期、どんな思いだっただろうかと考えさせられます。
しかし、二度とこんな事故を起こしてはならない、同じ辛い思いを誰にもさせてはならない、そうして立ち上がったお母様のこれまでの活動をまとめた一冊です。
私も、年に一度くらいですが、飛行機に乗る機会がありますが、その度に、この事故に思いを馳せます。
誰一人と犠牲者を出してはならない、空の安全を守り続けていかねばならない、その思いは皆同じだと思います。
この御巣鷹山の事故は、どんなに時代が変わっても、伝え続けていかなければならないことでしょう。