取り上げられている悩みは親兄弟との確執、自分の身体や性格へのコンプレックス、恋人や友人など人間関係の悩みが主体。「アナルセックスを試したいのですがウンコが汚くて踏み切れません」とか「自殺したい。松浦さんの回答を見てから死にたいと思いますので相談に乗って下さい」とか、過激なものはなかった。
作者はまず、相談者の入り組んだ悩みを明瞭に分析し、相談者がどこに悩んでおり、解決すべき点は何なのかを浮き彫りにする。その時点で多くの人は救われているのではないだろうか。更に、作者は具体的な対処法をしっかりと呈示する。それは必ずしも絶対的なものではないが、敢えて書き記す作者の責任感に共感を持つ。そして最後には作者からの温かい応援の言葉があり、相談が締め括られるのである。
作者の想像力と分析力により、相談者からの少ない情報がぐっと膨らんで、彼らの置かれた状況が生々しく読者に伝わってくる。この手腕は流石。文庫本に併録された五木寛之氏との対談もお薦めである。
地味ながら、とてもいい本だと思いました。相談者も救われることだと思います。女性の悩みを網羅しているので、悩みのある女性は一読されてみてはいかがでしょうか?
相談には関係ない私でも、少しやさしい気持ちになりました。こういう答え方もあるのだなーと思いました。