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犬身

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝日新聞社
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タウン誌「犬の眼」の編集者、八束房恵は、人を愛したことがなく、自分は半分犬なのでは、と思うほどに犬を愛している。取材で知り合った陶芸家、玉石梓と再会した房恵は、自分を負傷させてまで飼い犬の安全を守った彼女に惹かれ、交流を深めるうちに「あの人の犬になりたい」と願うようになる。房恵に興味を持ち、自らを魂のコレクターだというバーのマスター、朱尾献と死後の魂を譲り渡す契約を結んだ房恵は、オスの仔犬、フサとなって梓と暮らしはじめるが、梓の家族関係がいびつに崩壊していることを知る。

梓を苦しめる人間にできるのは、吠えることだけ。そんな自分に無力感を感じながらも、フサは、何も求めない、穏やかな愛を与えることで、犬なりに彼女を守ろうとする。飼い犬のように愛し、愛されたい房恵=フサは、梓の、これまで誰も入り込めなかった心の深みに入り込めるのだろうか? セックスの介在しない愛は、房恵自身を、満たしてくれるのだろうか?

松浦理恵子は、1978年に『葬儀の日』で「泣き屋」と「笑い屋」の愛を描いて文学界新人賞を受賞した。その後も、『ナチュラル・ウーマン』では女性同士の愛、『親指Pの修行時代』では親指がある日突然ペニスになってしまった女子大生の性遍歴と、一貫して、あまり一般的ではない愛を描いてきた。7年ぶりの長編小説である本作では、主人公が犬になることで、また新たな性と愛の可能性をひらいた。2008年度読売文学賞受賞作である。(取理望)
無償の愛・・・それは認めるけど ★☆☆☆☆
「犬身」=「献身」なのでしょうか。犬になりたい願望を持った女性が、メフィストフェレスのような悪魔と取引をして、自分(犬)を大事にしてくれる人の「犬」になるという話。

犬が好きな飼主に飼われる犬の気持ち、犬の心地よさ、犬の幸せ、犬の快楽が理解できなければ、この本には入り込めないだろう。私は犬を飼っているが、主人公の気持ちには全く共感を寄せることができない。そういう意味では、私は真に犬をかわいがってはいないということか。人間と犬にしか通じ合わない関係というものがあることを首肯したとしても、犬になって一生を終えること、犬の知性にまで(言葉は悪いが)堕ちてしまうことに、なぜ根源的な恐怖がないのか。人間としての実生活や人間関係を抹殺できるほどの絶望と諦念??

飼い主の家族の風景にも、嫌悪感しか覚えず。こんなグロで幼稚な精神しか持っていない家族を描き出して、どうしたいのですか。逃げ場のない不幸な者に、見返りを求めずによりそうこと、そこから得られる無償の幸福ですか?それは「犬」にならなくては実現できない「愛」ですか。だとしたら、かなり哀しい・・・。私は、人間のまま、人とつきあいたいです。(あ、それぢゃあ小説にならないか)
犬になりたい? ★★☆☆☆
結構話題になった作品です。
最初に読んで長いとか、気色悪いとかそんな印象を持ったのですが、
犬になって大好きな人に可愛がってもらいたい!愛されたい!
そんな視点で描かれたこの小説は、一読の価値があるものです。
途中までは、飼い主の不幸な問題に吐き気がするし、あまり進展も無いので苛立ちます。
また犬に変身するきっかけになった人物もユニークです。
なにかが引っかかって、読み直しました。
その面白さが分かるのは、もしかしたら二度三度読み直した後かも知れません。

もちろん犬好きな人は、一度で十分なのかも知れないですね。
犬嫌いが ★★★★★
犬嫌いなので、最初の章は読みながら気分が悪くなりました。
しかし最後には犬をさわってみたくなりました。
朱尾のイメージは、私の中では「悪魔の花嫁」のデイモスです。
すみません。面白くない ★★☆☆☆
 『八犬伝』から人物名などをとりながら書かれたファンタジー小説。女が女を好きになってその女の犬になるというおはなし。しかし文章はしまりがなく、リアリズム小説の体裁で書かれているから、ひたすら現実感も、ファンタジー感もなく、だらだらと続くだけで、面白くない。まあ松浦理英子といえばかつてはインテリたちのアイドルだったわけだが、面白くないものはしょうがないですね。
犬の気持ち ★★★★★
人間が犬に変身?なんて無理ムリな設定を一気に読ませてくれる作者に脱帽です。
犬の小説、楽曲などなど、いぬずくしなところもほほえましい。
猫派のわたしですが、堪能しました。