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栃木リンチ殺人事件―警察はなぜ動かなかったのか

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 草思社
Amazon.co.jpで確認
ジャーナリストの力を感じるノンフィクション ★★★★★
今更と思ったが、個人的にどうしても詳細を知りたいと手にしてみた。

前半は読むのもしんどいくらいの残虐なリンチ、恐喝。多くの人に知られる
こととなった熱湯、火炎によるリンチ。そして肉体的苦痛に留まらず、被害者
の人間としての尊厳まで奪う愚行の数々。
その人間離れした残虐性と、屈折した人格にしばしため息をついた。

バカどもは極限の狂気の中でその狂気を競い合い、保身のためにより残虐に
なった。連合赤軍の稚拙さに少しかぶった。

真面目に働き、一匹の蚊を窓から逃がすような優し過ぎる被害者は、地獄の
リンチの末に短い生涯を終えた。鬼畜のような加害者達の常軌を逸した行為
の末であったことは間違いない。
しかし、著者が突き詰めていった「更なる事実」は、被害者および加害者の
一人の勤務先であった大企業と警察の許されぬ癒着の構図であった。

被害者は助かる可能性、チャンスがありながら狡猾な「企業の保身」と、それに
迎合した腐敗警察の、隠蔽の交錯によって見殺しにされたのだ。
これでは企業も警察も共犯であるに等しい!

被害者の両親の心情を思うと、胸が引き裂かれる思いになる。
同時に、加害者の親の事件後の言い訳に、改めて激しい怒りを覚えた。

うちの子に限ってではない、この親にしてこの子ありなのだ・・・

加害者と両親はいったいどれだけ誠意ある謝罪、賠償をしたのだろうか。
被害者の勤務先、「隠蔽したかった企業」は諭旨退職を訂正したのだろうか。

本書は腐りきった警察と悪徳な企業を斬った、社会の木鐸たるノンフィクションである。
知れば知る程許せない ★★★★★
桶川ストーカー殺人事件-遺言を読んだあとにこの本を読ませて頂きました。 車で走っていると必ず警察署の前を通りますが、「これはいったい何の為に存在しているのだろう」「誰を助ける為に機能しているのだろう」と思うと腹わたが煮えくり返ります。 確かに警察の人間すべてがこの二冊に出て来るような最悪な者ではなく正義感を持って働いてくれている人はたくさん居ると信じています。だからこそそう信じて助けを求めたと思うのに「事件にならないと警察は動かない」と言い放った。 それって結局は誰かの命を犠牲にしないとその重すぎる腰は上げられないのか。 それが自分の身内でも同じ事ができるのか? 住む人達の一番近くにいなければいけないと思う人達が想像もつかないような遠く違う場所に居る。 権力を持っている所に本当の善がなければ救われていくのは悪しかないと思う。 非のない被害者の方が犯人だけでなく警察、日産にも一緒になって殺されたんだと思うと、ここでまたも悪は残っている。たまらない。 このような事件は絶対に風化させてはならないと思います。
人命より組織の面子を優先させた2つの組織 ★★★★☆
  この痛ましい事件に際し、被害者へのご冥福、そしてご家族の無念の気持ちを
察するとともに、犯人の残虐さには強い嫌悪と憤りを新たにしました。
  著者は、犯人が悪いとしながらも、犯人に被害者殺害を決意させた側面として、
警察の怠慢と企業の保身があったと指摘します。即ち、主犯格の父が警察官とし
て栃木県石橋警察署で当該事件に関わっており、警察の面子として、事件自体を
闇に葬りたい意思が強く働いている節があること、一方で、被害者が勤務する日産
自動車側も不祥事として露見を回避すべく石橋警察署に要請していた節が見受け
られることを指摘します。日産自動車が被害者の報道が公になった後、被害者宛
に無断欠勤による諭旨免職を諭す内容証明を送付していたことが何より事件に対
する日産のスタンスを物語っていると感じました。
 どこまでこの国は、個人を大切にしないのか!? ★★★★★
 本書の舞台は、1999年12月、同年10月に発覚した“桶川ストーカー殺人事件”から2ヶ月も経たずして、同様の捜査拒否と、その不祥事揉み消しのための被害者を貶める、情報リークによる遺族に対する報道被害の謀略が、警察組織で起きた事になる。
 前半に記される、被害者が2ヶ月に亘って受けた熱湯かけや殴打、加害者の精子入りの小便を飲まされるといった、完全に人としての尊厳を肉体的にも精神的にもズタズタにされるリンチは、凄惨の一言では言い表せず、4人の19歳の加害少年に対する怒りを禁じえないが、それにも増して私の怒りは、事情を知りつつtも会社イメージのために被害者を諭旨免職(事件発覚後1年を経ても、それは撤回されていない)にし、警察からの天下り社員を使って事件の揉み消しを警察と共謀して図った日産に向いた。
 このような例は日産に限らず、企業城下町と化した場所では繰り返されるに違いない。 その証拠に、日産は天下り社員の受け入れを止めず、被害者の一周忌の際、全ての社員が供養に訪れず、警察においても“桶川”の時には懲戒免職者を出したにもかかわらず、本件では課長が14日の停職になったに過ぎなかった。  つまり、何も変える気配が感じられないのだ。
 そんなオウム真理教ならぬ会社真理教に洗脳される信者が大多数の日本であるからこそ、このようなことを告発する本書は必要であり、事件を風化させないようロングセラーとして読み継ぐべき本である。
企業城下町 ★★★★★
福音書によれば、「偽善者」とは、自分に当てはめようとしない基準を他人に押しつける人とある。
想い起こされるのは、悪党:深山健男(みやま・たけお)元神奈川県警本部長の悪代官ぶりである。
桜田門組とは、威張って貢がせる日本一のヤクザ家業である。
パチンコは賭博、ソープランドは売春・・・現行法では違法とされる行為を行っていることは明らかである。
違法な業態にもかかわらず、許認可権が警察(生活安全課)に存在することが、腐敗の温床を育んでいる。

「天下らせろ!付け届けろ!貢がないと摘発する!!」総会屋と何が違うのか??

日産自動車栃木工場に天下りした元警視の役割とは、不祥事の揉み消しを後輩に働きかけることであった。
スピード違反・酒気帯び等、交通違反の揉み消しなどは、朝飯前・・・今後も果てしなく続くのだろう。
息子の安否を気遣う両親の訴えよりも、付け届け、退職後の雇用が優先されるメカニズムが桜田門組を貫いている。
事件発覚後、日産に訪れた被害者の両親に対し、薄ら笑いで犯意を否定する元警視の項でページを繰る手が止まった・・・