もっと速く読みたかった
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聞き書きのスタイルでの語録ですが、武士道とは死ぬこととみつけたり等の過激な引用がフューチャーされていますが、語録には珍しい新鮮な力が漲ってます。四書五経などの本や、仏教の様に、教祖が亡くなってから編纂されるのに、かなりの時間が経った書物、聖書等も含め、言葉の重みが、別次元の貴重な本ではないでしょうか?良い所を伸ばし、悪い所は受け流す姿勢は、中国の古典で教えられますが、実践している、鍋島氏の殿様の言葉は千金の重みがあり、昔、岩波文庫で挫折した自分は読むことが遅かったのが、悔しくて仕方ない程です。
人格を磨く、自己啓発には多分の益をもたらすことは、間違いないのではないでしょうか。これと、[[ASIN:456966427X 武士道 (PHP文庫)]お薦めです。語録本の中でも秀逸の本です。
サラリーマン
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三島由紀夫が絶賛した事で知られた武士道の本。
と思いきや これはある意味で江戸時代のサラリーマンの処世を書いた本である。読んでいて 身につまされる部分が多かった。
「浪人したからといって くよくよしてはいけない。武士たるもの 7回浪人して 初めて奉公が出来るというものだ」
この「浪人」を「左遷」とでも読み替えれば すなわちサラリーマンである。
「人より優れたいなら 人の意見を聞くことだ」
かようなセリフは良く聞くではないか。
「諫言も 上手にやらないと 全く逆効果である」
なるほど。
ということで すなわち 読んでいて現実性があり 大変興味深い。但し 基調に流れる凄みは さすがである。何かあったら死を持って対処するという気合は ひしひしと感じられる。今の我々に 自分の死を かように扱い、覚悟することは難しい。自分の死が 手に届かなくなっている我々は 果たして進歩しているのだろうか?