肩のこらない教科書
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微生物学は医学のみならず、生命科学、農学、工学などすべての科学分野で必須の学問である。生命に関わる感染症を扱うことや、実験・研究に学問的な厳密性を要求されることから、和文でも欧文でもこの領域の定番の教科書の多くが極めて真面目に書いてあるのに対し、本書は身近な具体例を挙げて判りやすく、肩がこらないように工夫されている、また、図も多くきれいである。したがって大学の履修課程や試験対策としてではなく,楽しみとして読める教科書といえよう。 評者は勤務する大学の来年度の講義の副読本に指定したが、医学生物系のもならず、理工学系や人文系の学生にも強くおすすめしたい良書である。