十六の墓標 上―炎と死の青春
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…この原稿は、私の生い立ちから始まっているが、これは私一個人の人生のなかに、連合赤軍の同志「殺害」の誤りへ至るいかなる問題が形成され内包されていったかを明らかにすることによって、この誤りが私一個人の性格や欠点に第一の原因があるのではないこと、そこにはきわめて普遍的な問題が内包されていることをはっきりとさせたかったからである。… …表題を「十六の墓標」としたのは七○年十二月一八日の上赤塚交番襲撃闘争で虐殺された柴野春彦氏 私たちが処刑したり「殺害」した向山茂徳氏ら十四名の同志、七三年一月一日に東京拘置所で自殺した森恒夫氏の十六名の同志の死を扱ったからである。彼らの死の重みは、彼らの生のなかにある。死に至った彼らの生を刻みつけることに、私は能うかぎりの努力をするつもりである。(本書、「はじめに」より)