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あさま山荘1972〈上〉

価格: ¥1,937
カテゴリ: 単行本
ブランド: 彩流社
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究極の善と悪 ★★★★☆
 善と悪はさておいて、アメリカの言いなりになっていた日本を変える為、立ち上がった彼らには、感銘を受ける。
 彼らが闘争を起こすきっかけは、この国そのものにあったと思う。
ここまで情熱を持って事を成しえるには、並々ならぬ覚悟が必要だったと思う。
 多数の人を殺めた事に対する罪は消え去る事はないが、なぜ彼らが権力に対し立上がらなければならなかったのかを考えると、自ら修羅の道を選んだ彼らも被害者だとも言えると思う。著者の坂口氏は今でも孤独な戦い(一生をかけて自分の過去を総括している)を続けているだろうと思う。
 ただし罪は罪、そこを大前提に考えられると全て否定となってしまうが.......。
へー悪い人じゃないんだな ★★★★★
今まで、連合赤軍とかあさま山荘とかって聞くととっても悪い人たちって印象がありました。
その反面、学生闘争などで盛り上がった時代への憧れもあって、あの時代の人ってどんな思考で生きていたのか??いろんな本を読んでも、まだあの時代に生きてなかった私にはどうしても理解できなかった。
軽い気持ちで興味本位で読んだのですが、なんか連合赤軍の幹部として行動した作者の気持ちが、すごくわかりました。この本はあさま山荘事件、そのものというより、そこまで行くまでの普通のちょっと左派的な気持ちを持った、気弱な部分もある普通の青年である
作者の運命の物語でした。
あさま山荘事件当事者による克明な記録 ★★★★★
普通の学生が学生運動に身を投じ、大学中退を経て労働運動、やがて非合法活動に手を染め地下に潜伏する・・・。あさま山荘事件後、逮捕され、連合赤軍の一連の事件の主導的立場にあったとされ裁かれた獄中の著者による克明な記録だ。
その詳細さは驚嘆するばかり。誰がどういう行動をとったか、どういう議論をしたのかなど、詳細に記述されていく。

著述にあたってのスタンスも率直なのが好ましい。これだけの文章を書ける聡明な人物が、暴力的な事件を起こしたというのが繋がらない印象を受けた。

一方で、運動に携わった当初の部分は、客観的な記述が目立つが、本人が運動の中心になってくるにつれ、だんだんとその客観性が失われていくようにも感じた。彼らの中でどのような思想があり、どのような議論があって、行動をとったか、ということは詳述されるが、一方で、そもそも、彼らをそこまで駆り立てた動機が何だったのか、といったことは見えにくい。少なくない仲間が様々な事情で運動を脱落していく一方で、ひたすら尖鋭的になっていく著者たちの行動の拠り所は何だったのか?そういった俯瞰的な視点での、分析の欠如を感じた。

仲間内で高邁な討論を繰り返し、自らの行動を正当化していく一方で、指名手配されている自分たちがテレビのワイドショーにとりあげられているのを見て、潜伏後の著者たちが、初めてショックを受けるという場面が特に印象的だった。

生い立ちから最初の同志殺しまで ★★★★☆
連合赤軍の指導者だった坂口弘さんの手記。生い立ちから運動するに至った過程、羽田空港突入、組織との関わり、逃亡した同志の殺害などについて記されている。

羽田空港突入とか同志殺しとか、ふつうの人にはとてもできそうにないことだ。しかし、私には著者が決して特殊な人であるとは思えなかった。私と同じ人間だ。ふつうに社会の中で生き、考えるべきことを考えていたら、自然と運動に参加するようになった。そして何かの間違いで、人を殺すまでになってしまった。それだけのような気がする。

もちろん、彼らがしたことには大きな誤りもあろう。しかし、なぜそういうことをしたのか、が重要であり、彼らに対し「過激派」「凶悪犯」として特異な目を向けることは何の意味もない。

学生運動の歴史を読み解く上でも、「連合赤軍指導者」の人となりを知る上でも、60~70年代がいかなる時代であったのか想像する上でも、そしてこれからの私の人生を考える上でも、本書は重要な示唆を与えてくれると感じた。