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日本の刑罰は重いか軽いか (集英社新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 集英社
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なんと言っても中国の死刑の描写が凄い。 ★★★★★
 日本の精密司法や、旧来の法学部での教育システムを褒めているところや、また、刑法学が日本で発展してきたのは、罪刑法定主義の中で、可罰の対象を広げて行くためだったとの指摘など、それなりに面白く読めましたが、そんなのを一気に吹っ飛ばすのがあとがきでの中国での死刑宣告・確定から刑執行、死亡確認までの描写です。中国では裁判官が死刑執行に立ち会うそうで、それで著者が見てたんだそうですが、日本でも検察官だけじゃなくて、裁判官とか裁判員が立ち会ったほうがいいんじゃないか、などとも思った次第です。
中国との比較は面白いが ★★★★☆
この本の長所
1.比較、とりわけ、中国との比較が面白いところ。刑が重いイメージのあるアメリカ、ならびに中国は、闇雲に重いわけではないことがわかり、参考になった。
2.議論の底流が穏当なところ。国際人権法の詳しい条文はないが、おおむね近い考え方が底流に感じられる。
この本の短所
ところどころ間違いではないか、と思うところがあるところ。たとえば、民事と刑事で結論が違うのは、一般論としては、判事が違うことと自由心証主義のはずであること(p41)、日本の刑事裁判が長いのは、慎重というよりは、同時進行であるということ(p124)、「合理的な疑い」は、120%ではなく、95%ぐらいのはずであること、など(p39。各種刑事訴訟法の教科書参照)。
結論―長所星5つ。短所で星1つ減らして(正直言って、学者の本とは思えないと思った)、ほし4つ。
著者の理性にも共感 ★★★★★
 今後、本書に書かれたようなことを知らずして司法制度について語ってはいけない。日米欧いずれとも異質な国である中国を含めた刑法の比較を、その社会的背景まで含めてわかりやすく書いた良書である。民事有責でも刑事無罪のケースは、両者で判定基準が異なるという司法の考え方からはむしろ当然(第2節-2-5)、といった法学上の基礎知識も含まれ、素人の私にも読みやすい。
 中国と日本の法感覚はかなり対照的で米国には両者の要素があるのだが、それは裁判所や法学研究者の法解釈の姿勢にも及んでいる。すなわち各国の法学研究は各国独自のパラダイムの中で行われているとさえ言える。これは専門家も自覚すべき視点ではあるまいか。
 著者は中国出身で、長く日本で研究生活を続け米国大学の客員経験もある法学者であり、このテーマには最適の人物だろう。自身の裁判員としての経験も踏まえた中国の陪審制度の実態の描写や米国の陪審制度の実際は、日本の裁判員制度を考える上でも必読だ(第3節-4-3)。また、小さな事は犯罪とされない中国の法感覚と、広く網をかける日本の法感覚の食い違いから来る訪日中国人の被差別意識(第5節-1-1)も目から鱗である。また、中国で日本人が麻薬所持だけで死刑判決を言い渡されたことについての「反日感情ゆえか」との日本側の誤解(第4節-3-1)もおもしろい。
 裁判の遅さが批判されることもある日本の「精密司法」を、速さ最重視の中国の司法や、司法取引90%で処理速度を稼いでいる米国司法よりも評価している点(第4節-4)も同感である。一部で言われていた日本での99%以上の有罪率への批判が、米国のお粗末な刑事司法手続を前提とした欧米の一部の研究者によるものが発信源との記述(第4節-4-3)で、「好成績が何故批判の対象に?」という私の長年の疑問が解けた。
 そして最終節の「法治主義とは理性」であり、「多数決を原理とする民主主義の非理性を克服する手段」だという格調高い宣言には共感を覚えた。
豊富な知識と,読者を飽きさせない筆運び. ★★★★★
 前半部は,刑事法分野に関わるトピックを散発的に
採り上げ,日本,中国,アメリカにおける法制度の違
いに対する「なぜ」を掘り起こしてくれます.採り上
げられたトピックそれ自体は,中国に関する部分を除
いて,それほど目新しいものではありませんが,いず
れも3国の相違を顕著に示していて,問題提起として
過不足なく,とても面白い構成となっています.

 ただ,前半部の記述からは,まだ王が導こうとする
方向性は見えてきません.新書にありがちな,単なる
トピックの羅列に終始してしまうのではないかと,や
や不安になることも或はあるかも知れません.この不
安を綺麗に片付けてくれるのが,後半部です.

 後半部は,「縦」的比較(社会との関連を踏まえた
立体的,動態的比較),三極的比較といった比較の視
点を持つ必要性を喚起したうえで,日本の刑罰は重い
のか,軽いのか,という疑問に答え,更に3国の犯罪
と刑罰の特徴を,「狭くて深い」中国,「広くて浅い」
日本,「二分化」するアメリカ,という形で分かりや
すく説明してくれます.ここで当然に生じてくる疑問,
つまり「犯罪と刑罰の国による違いはどこから来たの
か」という問いに対しても,王は控え目に,自分の見
解を添えてくれています.

 内容の面白さは当然のことながら,読者想いの魅力
的な構成に,星5つ.
読んでみるべき ★★★★☆
日本の刑罰は軽いのではないか?そんな風潮が昨今流行している気がします。殺人罪の刑罰が軽いとか、被害者の権利保障が薄いだとか。
本当に日本の刑罰は軽いのか、今一度考える好機になりました。
ここで私から質問です。
1.刑罰とは『刑法、その他の罰則』に書いてあることが実質的に全てですか?
2.『逮捕されたもの=犯罪者』ですか?それは世界共通ですか?
3.本当に日本の刑罰を他国と比較したことがありますか?比較する必要はありますか?アメリカは裁判社会ですが、日本もそれに追随する必要がありますか?
以上のような論点に対して意見を述べることができない方は是非この本を参照し、どのような論争が行われ、どのような具体例が存在するのか、を知っておくことが必要でしょう。
裁判員制度も始まることですし・・・