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「権力社会」中国と「文化社会」日本 (集英社新書)

価格: ¥693
カテゴリ: 新書
ブランド: 集英社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:王雲海/著 出版社名:集英社 シリーズ名:集英社新書 0348 発行年月:2006年06月 関連キーワード:ケンリヨク シヤカイ チユウゴク ト ブンカ シヤカイ ニホン シユウエイシヤ シンシヨ 348 けんりよく しやかい ちゆうごく と ぶんか しやかい にほん しゆうえいしや しんしよ 348、 シユウエイシヤ シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや しゆうえいしや 3041、 シユウエイシヤ シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや しゆうえいしや 3041 全く新しい視点から日中すれ違いを読み解く。経済的に相互依存が深まるほど、政治的に悪化の一途をたどる日中関係。中国、日本、アメリカで学んだ気鋭の学者が、これまでまったく注目されてこなかった「社会特質」の差から、その根本理由を探る。 壁は「社会体制」だけではない壁の原点は「社会特質」にある「権力社会」対「文化社会」「政治的外交」対「文化的外交」「戦略型友
二分法で理解するには無理があるような・・・ ★★★☆☆
筆者は中国出身で日本に留学し、日本で教鞭を執り、アメリカの大学に留学した経歴を持つことから、日中の社会特質を客観的に論じるという立場で書いている。しかし、読み進めるうちに、これだけの知的背景を持つ識者であっても、両国の違いを客観的に見ることが相当に難しい作業であることが明らかになっているようだ。

中国は強い権力を持つ統治者によって社会価値観までリードされるのに対し、日本は大衆が潜在的・歴史的に醸成してきた文化的価値観が政治や外交のあり方まで規定しているというのも、やや過剰な単純化のように思われるし、さらに中国は将来ビジョンから現在を正当化し、日本は過去の蓄積から現在を正当化するというのも、論理としてきついのではないだろうか。

筆者自身が認めているように、中国の研究者は理念や大理論を振りかざす論文を書きたがり、日本の研究者は資料や実証に基づく一見小さなテーマを選びたがる結果として、筆者自身が自分の掲げた大きなドグマに囚われ、かつ実証的には首をかしげるような、換言すれば具体的な分析に弱点を残した本書となっているのではないだろうか。
良書だが「文化」と「権力」で割り切るには無理がある。 ★★★☆☆
 全体的に日中関係をよく分析していると思う。中国に生まれ、日本にも長く住む筆者の実体験に基づく比較であり、大いに参考になる。著者が言うように日本と中国のどちらかが優位に立っている場合には関係がうまくいくが、同等の場合にはライバル意識によって関係が悪化するというのは事実と思う。また、両国の政治情勢が両国関係に影響するのも同感である。しかし、こうした点は、「文化社会」、「権力社会」という概念でなくても分析可能である。本書以前も、日本社会を分析する特質として、「甘え」、「たて社会」、「恥の文化」などが主張されたが、人間社会は一つのものさしで測るには複雑過ぎるものだ。強引に日中の違いを「文化社会」と「権力社会」で説明しようとした部分が多いと感じるのは私だけではないのではなかろうか。
日中の違いをよく説明している好著 ★★★★☆
日本と中国の違いの根本はその「社会特質」にあるという。中国では(共産党政権に限らず、歴史的に)国家権力がすべてを決定づける「権力社会」であり、日本は権力ではなく「権威」(天皇はその象徴)や常識、慣習などがすべてを決定づける「文化社会」であるとする。

したがって中国では権力が文化のあり方まで規定してしまうのに対し、日本では文化が権力のあり方を規定していると見る。文化に規定された日本的権力のあり方が天皇である。こうした分析は非常にわかりやすい枠組みだと思った。

確かに何でもかんでもこの枠組みで日中の違いを強引に説明してしまっているような印象を持つ部分もあったが、大筋においては日中間の違いがかなりうまく説明できるように感じて非常に新鮮だった。

他の評者の方が指摘しておられるような、「何でも中国がよくて日本が悪い」式の説明をしている感じは私は受けなかった。ある方が例示しておられるホームレスの話にしても、日本社会にはよってたかって弱者をいじめるという傾向があることは否定できないし、中国社会には弱い者どうしが同情し、連帯して権力に対抗(対応?)していく傾向があることも事実である。

むしろ私がこの本を読んで感じたのは、すべてを権力で統制しないと動きが取れない中国社会の大変さであり、文化を基調に安定的に社会が流れていく日本社会の効率の高さ、安定感であった。実は筆者もそのように思っているのではないかと私は感じた。いずれにしても非常に示唆に富んだ、貴重な視点を提供してくれる好著だと思う。
強引な議論もあるが、社会特質という概念は面白い。 ★★★☆☆

 著者は、日本に20年在住し、日本の大学で教授を務める中国人法学研究者。

 著者はまず、ある社会における社会秩序の創出において中心的な役割を果たしているものをその社会の「社会特質」と呼び、それが中国社会においては「国家権力」、日本社会においては「文化」(常識・慣習・慣行、等)であると指摘する(ちなみに、アメリカのそれは「法律」)。日中両国の互いに対する外交政策がそれぞれの社会特質に由来する多くの側面を有しており、それぞれの社会特質を考慮することによって互いの互いに対する「誤解」をといていく。

 日本と中国では社会を成り立たせているものが違うという指摘はとても面白いが、何もかもを「権力社会中国」と「文化社会日本」の対比で説明しようとする議論を(特に後半において)強引に感じることも多かった。日本社会についての考察に関しても説得力を感じない部分も(やはり後半において多々)あった。それでも、日本の中国に対する外交政策が中国から見てどう見えるのか、中国は日本の何をわかっていないか、という点に関して、面白く読むことができた。

よくもまあここまで…… ★☆☆☆☆
冒頭部分では「ほほう」と思わせるような指摘もあったが、後は全編ありきたりの「中国は正しく、日本は間違っている(あるいは日本は中国を正しく認識していない)」本。

まず、「社会の特質の違いは、文化の差にある」という同書の認識枠組み自体曖昧模糊。「じゃあその文化の違いはどこから来ているんだ?」という問いにはどう答えるのか。「政治体制は両国でそれほど違わない」って全然違うんですけど。

まあ文化が違うのはいいとして、その挙げている例が、よくもまあここまで、というくらいに自国をひいきの引き倒し。「中国は未来を見、日本は過去を見る」とか「中国は中身が重要、日本は外見にこだわる」とか、「中国は実力主義、日本は学歴・門閥主義」とか。一番「ウソつけ」と思ったのは、「ホームレスに対し、中国人は温かく、日本人は冷たい」というところ。中国に関わりのある者なら、中流以上の中国人の、いわゆる下層階級に対する「非・人間扱い」ぶりは常識であろう。

この本を読んで、「中国人は偉そうに知ったかぶりでインチキな知識をしゃべり、日本人はしない」という違いがあるということだけはよくわかった。