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「大岡裁き」の法意識 西洋法と日本人 (光文社新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 光文社
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初心者でも読みやすい良書です ★★★★☆
私は法律の門外漢ですが、日本社会・日本人には「法よりも徳で治めるほうが性に合っている」「責任の所在を個よりも集団におく」「ホンネとタテマエの二重構造」などの個人的イメージがあります。
で、「そもそも、日本人に西洋法ってなじむのだろうか?」という疑問がくすぶっていた時期にこの本を読みましたが、腑に落ちたこともあれば、よく分からずに未だ考え続けていることもあります。

西洋列強の歯牙に噛み砕かれそうになっていた頃、なによりも西洋法を日本社会に導入し運用させることが、国家の急務だったこと。
どの西洋法を取捨選択するか、その時期の状況で判断してきた事実。
西洋法を日本語に翻訳することのメリットとデメリット。
これらはよく理解できました。

「日本人に西洋法はなじんでいるのか?」という本題に対しては、多角的な方向から光を当てています。特に、村上淳一氏の反批判、ラムザイヤー教授の議論がおもしろいと感じました。
法律と日本人の間には厳然たるズレがあり、法が「血肉」となっていないことはわかりましたが、法と日本人の関係が変化しようとしている過渡期にあっては、それぞれがそれぞれの答えを考えるべき問題なのだと思いました。
後半グダグダ ★★★☆☆
法律家にとってはおそらく当然なのだろうが、本書では、日本法への西欧法の影響が非常に明快に示されている。普通の人には、おそらく江戸時代までの日本固有の法制度は文明開化で西欧流の法制度にとって変わられただろうと大体は推測がつく。しかし、その西欧法の中身が、フランス法→イギリス法→ドイツ法→アメリカ法へと変遷していった、という話は必ずしもそうではない。筆者の説明は非常に分かりやすいし、穂積陳重の写真やら法廷の配置図やらで西欧法の影響を具体的に視覚的に提示する筆者独自の視点も興味深い。けれども、そもそもなぜ比較法やら法文化論が必要なのか、これを説明する後半部分になると、前半の専門家以外に親切な説明が打って変わって、不明確になる。日本法は西欧法と比べて独自のものか、遅れたものか、という問題設定につき、これまでの議論が解説された後、結局、法文化とは、世界解釈の問題なのだ、自らの姿を映し出す内面的な鏡なのだ、あるいは、自己変革や社会変革の主体的な営みを促すものなのだ、と言う。しかしこれでは、法文化論なるものは、西欧法を模範として選択すべし、という結論が先どられた議論だ、ということになるのではないか。筆者の言う法文化論は西欧法の価値体系の神学ではないか、法科大学院やら裁判員制度やらの護教論ではないか、こうした素人的な疑問に大しては、この書物は必ずしも親切ではない。
末弘厳太郎著『役人学三則』へのアンサー ★★★★★
 本書を、末弘 厳太郎著『役人学三則』へのアンサー本として読まれることをお勧めする。
 今に至るも現代日本に存在する「赤ひげ信仰」と「大岡政談信仰」、この二つの超え難きものが、市民が自立することを拒んでいる。
 本書は、明治時代に私たちの祖先がどんな姿形で、何に追われて法律を導入し、法律専門家を養成したか、そこに存在した人間を描き、「大岡裁き」との対比の中で法律理解への導入路を成している。
 私たちが関心を示そうが示すまいが、司法制度改革という「くじ引き」が貴方に降り注ぐ日が近づいている。
 法律と法律専門家を無闇に敬遠する必要も無く、ましてや崇拝する必要も無く、利用することも可な知識であり専門職の一種として理解する上で手ごろ且つ必要な一冊と思います。
謙虚に、そして前向きに法と日本人を語った好著 ★★★★★
 序章にある「すべて人間は、特定の時空の中に産み込まれ、その時空の網目にがんじがらめになった存在であり、人間の価値観はその時空を形成している歴史や文化に圧倒的に制約される。」(p.15)という考えの下、一人の法学者を語るように見せかけて、法律とは何か、日本人とは何か、両者を互いに鏡としながら今までの定説を覆しつつ語っていきます。

 どっかの書評でも褒めてましたが、裁判所(お白洲)のレイアウトや一学者の肖像の変遷を柱に話を組み立てて行くのも新鮮です。

 失敗なのは書名で、『「大岡裁き」の法意識』より、副題「西洋法と日本人」の方が内容に合致してますが、こちらではインパクトに欠ける以上、しょうがないんでしょう。

 とまれ、タイトルは残念ですが古典的な意味での「新書」の系譜に位置する著作です。10年後、どう評価されているか楽しみな本です。

「西洋法と日本人 ~『大岡裁き』からLED裁判まで~」 ★★★☆☆
~「裁判員」制度の導入はじめ、今行われている司法改革を契機に「法」「裁判」についての日本人の意識を西洋と比較しながら論じたものです。
「西洋法と日本人」というサブタイトルのとおり、西洋法を読み解き日本に移植して行った経緯を、とりまく人間の人物像を明確にすることにより、複眼的に読み解いてくれます。特に維新時に活躍した人物たちの優秀さに~~は驚きます。
その一方、「大岡裁き」という今でも好ましい裁判、法制度というイメージを持つことと、西洋法を対比しながら、日本人の法律、権利への意識の特殊性を読み解いて行きます。さまざまな立場の意見を紹介しながら、筆者の主張を展開していく点においては、比較法学らしくフェアな印象を持ちます。
写真や図も多く、単なる法律の本ではなく、読み~~やすいのですが、また筆者の論点の作り方も賛成するのですが、「大岡裁き」がある種イメージ的に挿話されているきらいが強く感じます。その点については少々フェアじゃない感じがしました。
「西洋法と日本人 ~『大岡裁き』からLED裁判まで~」くらいのタイトルの方が内容には即しているように思います。~