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クラシックCD名盤バトル 許光俊vs鈴木淳史 (新書y)
価格: ¥924
カテゴリ:
単行本
ブランド:
洋泉社
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マニアというか・・・、所謂お仲間向けにはオモロイ
★★★★☆
読み物としてクラシックファンには面白いとは思う。
二人とも一貫して、ギュンター・ヴァントとチェリビダッケという2巨匠を絶対視している。彼らの音楽評はこれを基盤としているのだが、音楽観もセンスもまるで違うヴァントとチェリビダッケが「両雄並び立つ」彼らの批評的観点は、その実さっぱりわからない。
許に関していうなら、ベルティーニとチェリビダッケの「両立」、インバルとチェリビダッケの双方褒め称え、テンシュテットとヴァントの諸手挙げての賞賛は、まともなリスナーや読者からの総スカンを食いかねない問題だと思う。
鈴木はもっと狸というか、彼が本当にどういう演奏に感動しているのかは見えにくい。
で、本書が面白いというのは、以上のような、マアいわば楽屋ネタみたいなクラシック批評業界のアネクドートを面白がる読者としては、まあオモロイという具合である。
文体もそれらしく、「これは宇野功芳調」とか「志鳥ならこういうだろう」「黒田恭一なら」「石井宏なら」とかいうのが頻出する。
つまり、筆者2人は、読者がこうした批評家連に対する訳知りであることを前提にしているのだ。よって、少しはこれらを齧っている評者には面白い。
そうではない読者には全く面白くないだろうし、ここに連ねられた言述は言論公表の水準にあるとは言えないだろう。
面白いが実用性は少ない。
★★★☆☆
「これを聴くべきだ」などというお節介とは無縁。客観的な名盤紹介の体をしていないのにも共感が持てる。
好きな録音を好き勝手に書いているのだろうなという文章は、読んで楽しい。
しかし、買うことが出来ない絶版や希少なものまで紹介されているのはどうなのか。
確かに面白い本だが、もう少し「名盤ガイドブックとして使えるような実用性」にも配慮して欲しかった。
喜ぶべきか悲しむべきか
★★★★☆
バトルを展開している二人のこれまでの著作を読むと、有名評論家が見逃している名盤を紹介してくれるかと思うと、完全なゲテモノを取り上げることもあって、なかなか油断できない。
今回もその姿勢は変わらないが、さすがにバトルだからか、どちらか一方がまともな名盤で勝負している。これが自分の持っているCDだったりして、素直に喜ぶべきか迷う。
全体を通して、初心者向けではなく、少なくとも一曲に対して複数のCDを所持したり試聴した人向け。そんな人には面白いはず。ただ、逆にストレス溜まる人もいるだろうなぁ。