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女の勲章 (上巻) (新潮文庫 (や-5-38))

価格: ¥704
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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ヒロインの背中をどつきたくなる本 ★★★☆☆
不毛地帯、華麗なる一族、女系家族と、最初読んだ不毛地帯の迫力に圧倒されて、山崎豊子さんの作品を読みました。私にはこの女の勲章が4作目にあたりますが、この作者の設定、筋立てのうまさはどれも素晴らしいと思いますが、どうもそれに比して人物描写のシンプルさは、読んでいて気になります。

ヒロインの船場の元御嬢さん、苦労知らずとはいえ、こんなに単純に人に繰られていく、ということがあるんでしょうか。不審を感じても、信じたい男を信じ続ける。それが恋の悲しさ、とはいえ、読みながら背中をどつきたくなりました。そのうえ善人(お人よし?)ヒロインを取り巻く人物が、揃いも揃って一癖も二癖もあるワルばかり、とは。もう少し人物設定、人物描写に変化と深みを与えれば 「なんでやねん。なんで気づかへん。」と、ヒロインの単純さに突っ込みをいれながら読むこともなかったのに。
女の勲章とは何なのか・・ ★★★★★
これいいですよ。
女性が読むにせよ、男性が読むにせよ。
話の展開、登場人物、舞台、心理描写、背景描写、どれをとっても個人的に
十分楽しめた作品でした。

氏の作品はどの作品も読みやすく、かつスリリングな気分を味わえることで
私は大好きなのですが、いつも終盤にあたって話の展開が急すぎるところや、
「事前に気づけただろ」みたいな部分があるところを少し残念に思っていました。

ところが今作は終始話のペースを乱さず、非常に丁寧に書かれていたように思います。
あとがきで新聞連載の小説だということを知り、なるほどなぁと思いました。
「女性」というものを知ることにおいて今回、非常に勉強になった気がします。

また、こんな世知辛い時代だからこそ、こういう小説は読まれるべきだと思いました。
「女性の品○」もいいと思いますが、定義から入るよりも具体例を感じたほうが
身に染みる部分はあるのではないでしょうか。

時代ついでに余談ですが、こんな世の中で生きていくことを考えるにあたって
個人的に氏の作品でお勧めなのが、

・女性が読むなら今作、「女の勲章」
・男性が読むなら「ぼんち」

を挙げておきたいと思います。
読み出したら止まらない! ★★★★★
船場の両家の嬢(いと)はんである式子は生家を叔父に譲渡し
、それで得た資金で洋裁学校を開校した。商家の息子で一流大学を出、
有名商社に勤めていた銀八郎は、商社をやめ、
敷式子の学校にフランス語講師として勤め始めたが、
いつの間にか理事長のようなポストにつく。
また式子の助手には弟子の倫子、富枝などがついており、
華々しく日本の服飾業界に躍り出た。

銀八郎は洋裁学校の経理面や利益面などに腕を振るう一方で、
式子とも関係を持ち、なにやら学校をのっとりそうな勢いである。
また式子には秘密で、弟子である倫子たちとも関係を持ち、彼の考えはいったい何なのか?
 
とにかく先が読めないので、ついつい先を急いでしまいます。
この銀八郎の思惑も気になりますが、お嬢様育ちの式子が徐々に貫禄を見せてくるところが読みどころでもあります。
女たちの世界も十分楽しめます。
現実的 ★★★★★
山崎豊子さんを愛読しているといつも現実的な場面(人間の嫌な部分)にぶち当たり
こういうものなんだろうと納得しながら読ませていただいております。
これも、華やかな舞台裏の壮絶な人間模様が。。
ちょっと悲しい結末ですが
後味の悪さはありません。。天罰はいつか下ると信じてますから。
山崎豊子さんの相変わらずの取材力には感服いたします。
下巻の後半はドキドキしながら、あっという間に読み終えました。