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女系家族〈上〉 (新潮文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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人間の欲深さを恐ろしいほどまでに描いた傑作 ★★★★★
船場の嬢さんである3姉妹の父親が亡くなり、遺産相続をめぐって計算高い駆け引きが行われるのがこの物語。同時に、大番頭が一家の財産をちょこちょこ横領してきた事実や、父親に長女・藤代と同年齢の愛人がいて、そのうえ父親の子を妊娠していることが明らかになっていく。

上巻の最後の、つわりでふせっている愛人を、3姉妹と叔母が見舞いにいく場面は、老舗の嬢さんのプライド、遺産相続に首を突っ込んできた愛人に対する憎悪、子どもを授からない女の嫉妬など、各々のどす黒い感情がまざまざとあらわになる、すさまじいシーンだった。これぞ女の戦い。そして女はどこまでも残酷になれるのか。

人間の欲深さを恐ろしいほどまでに描いた傑作。

最初は読みづらかったがすぐに没入できる。 ★★★★☆
女系家族、読了。

大阪船場にある繊維問屋の主が死んだ後のドロドロとした遺産相続の争い。
最初は関心無かった者も、いざ額を数字にしてみると別人の様に変わっていく。姉妹3人、番頭の宇市、その他各姉妹のおこぼれに預かろうとして協力する者、等々。登場人物の本性というか化けの皮が徐々に徐々に剥がれていく様は圧倒されます。結局みんな濃いー、そしてある意味「イイ」キャラになっていきます。お互いが駆け引き、嘘偽り何でもありの暗躍、暗闘へ。

時代背景も古いし、大阪弁(船場弁?)がどうも引っかかって読むのがつらいのは最初だけです。
読み終わったら大阪弁でしゃべりたくなること請け合い。

「山師」という言葉の意味を始めて知った。かなりのなるほど感。「山師」という言葉が出来る位、山の財産価値は難しいということ。この「山」やら骨董やら不動産などの相続にまつわるゲームは恐ろしいほどのリサーチっぷりを感じた。

ラストのクライマックスはすさまじいカタルシス。そんな手があったのか!と驚かされストンと落とされて終わる。読み終わった後はしみじみと、そしてつくづくと人間の業の深さを思い知った。

これはもう流石流石の山崎豊子だ、と言うしかない。
山崎豊子の作品は他に、大地の子と白い巨塔も読んだけど、どの本も即買い、即読みをお奨めする次第だ。

結局女系家族は再読も完了。
華麗なる一族は3回も読んじゃった。。。

そして、同じく山崎豊子原作の不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))はフジテレビでドラマが10月から始まるようです。

不毛地帯(フジテレビ)
開局50周年記念&唐沢寿明主演てことで期待していいすか?
おっと、キャストのページを見ていたら音楽は坂本教授!ビクーリ!

これは原作は読まずにTVドラマ→原作の順にしようかな?
さすが ★★★★★
山崎豊子さんの作品はすべて読んでおりますが、中でも最も人間の嫌な部分、欲深さが書かれている小説かと思います。ここまでなるのかと思いつつ、目を背けたくなるような描写もありますが、なかなかどうして色々な問題が出てくるたびに、先生の相変わらずすさまじい取材力に感服いたします。三姉妹のみならず、周りの人間模様が大変面白く書かれており最後までどうなるのかと人間の欲深さにハラハラしながら後半へ突入。あっっという間に読み終えました。女系家族の中で悶々とした日々を過ごされてきた男性の執念とも思われる結末。
どんでん返しのかっこよさに読み終えた後は、納得できた私でした。
山崎豊子さんの小説に外れ無です。一読を。。
血が濃いほど縺れた糸はほどき難い ★★★★★
兎に角面白く読めました。
タイトルにもある伝統的な女系の老舗問屋が舞台。
血を分けた3姉妹の亡き父の遺産を巡って醜い戦いが繰り広げられる中、この相続の取り纏めを任された大番頭が千載一遇のチャンスとば
かりに過去の着服の清算と新しい横領を虎視眈々と狙う。
姉妹の中では特に出戻りの総領娘の身勝手さが際立っており、大番頭との戦いは見物である。
また物語では登場シーンも少ないながら冒頭よりなにやら一波乱ありそうな雰囲気を醸し出している亡き父の妾の存在。しかもその血も涙もない実子で姉妹達の仕打ち、番頭の腹に一物持ちながらの接触に対しても主張もせず、最後の最後に切り札を突きつけて、物語のラストで大きな波乱を生むことになる。
自分の置かれている立場を何食わぬ顔をして受け入れ、旦那稼業を何十年も続けて来た婿養子の最初で最後に強い意志を持って書かれた遺言には積年の屈辱と将来を憂いだ心境が赤裸々に綴られており、思わず唸らずにはいられなかった。
慇懃な大阪弁の言い回しといい、会話の受け答えといい、この物語は大阪が舞台でなければ、面白みも半減していたのではないかと思うほど、全体に調和の取れたものとなっている。
重厚 ★★★★★
面白かった。三人姉妹の豪華な衣装や食べ物の描写は絵巻物のようだし、当時の生活がこまごまと描かれていて興味深いし。三人の美しさが伝わってくるし。
しかし、メインはもちろん相続争いです。番頭のいやみったらしさ(都合が悪くなると耳が遠い振りをする)、長女の異常なプライド、高飛車な性格、次女の控えめと恨みがましさの入り混じった言動、三女のかわいさとドライさの混じった現代的な性格、亡き父の愛人の控えめな中にも芯の強い態度など、引っ張り込まれてしまいます。番頭の愛人の世俗的女性、長女の愛人で美男の舞の師匠等興味深い人物がぞくぞく。女たちの欲と抑圧された男たちの怨念のこもった家の不気味さがひしひしと伝わってきます。日本を舞台にした著書にしては、理屈の言い合いが多いのが笑える。それが、関西弁のネチネチしたやり取りなので関東人の私には新鮮というかエキゾチック。