日本の遺産
★★★★★
他のレビュアーの方々も書かれていますが、
橋本左内が満14歳(現在の中学2年!)で書いた
この『啓発録』は、並みの人間が一生かかっても
到達できないレベルの内容をもつ書物です。
しかし、その当時の教育内容を反映しているとも
言えますので、適切な教育を行えば、こうした人物も
稀には出現するのだという証拠でもあります。
現代の、何を目標にしているのかわからないような
教育の代わりに、しっかりとした人間形成の教育を
導入しようという機運が起こってきた時、大いに
参考にすべき書物だと思います。
成人年齢引き下げ議論のある今こそ読み考えてほしい一冊
★★★★★
成人年齢を18歳に引き下げるべきかどうかが議論されている昨今だが、今どきの人間の平均的な精神年齢を考えると法令上の成人年齢は40でも50でもまだ若すぎるというのが正直なところだ。
それを考えると数え15歳・満14歳の時の橋本左内がここまでのことを考えていたことは驚異的とも言える。人前で平気で「ママ、ママっ」と言い自分の親のことを父母と言えずにおとうさん・おかあさんと言えてしまう低レベルな20代には橋本左内の爪の垢でも煎じて飲ませたいと思った。
この『啓発録』はもともと短い文章だが、もし強いて一か所だけ読んでもらうとしたら「交友を択ぶ」の部分でしょう。≪損友≫と慣れ合うことに明け暮れ≪益友≫を非難し遠ざけて自分で自分の人生をダメにしている20代・30代の若者たちに薦めます。
啓発録
★★★★★
この本は安政の大獄にて26歳でその短い生涯を閉じた橋本景岳(左内)の漢詩で、とても15歳の時に記したとは思えない程、高い精神に満ちています。漢詩というと難しいイメージがありますが、是非、訳文からでも現代の中高生に読んで欲しい名著と思います。特に「幼心を去る」、「振気」、「立志」、「勉学」、「交友を択ぶ」の5つは時代を超えて若い人たちの心を啓発してくれるでしょう。
純真な志を心から味わえる一冊
★★★★★
日英同盟、国際連盟設立の50‾60年前に、「いずれ世界には国際連盟のようなものができる。その中心になるのは英か露。厳しい国際社会を日本が生き抜くには、開国をして、どちらかの国といずれ同盟を結ばねばならない」と喝破。
・ 西郷隆盛をして、7歳年の左内を「友として最も尊敬する」と言わしめ、
・ 緒方洪庵をして、「橋本はいつかわが適塾の名前を高めるであろう」と絶賛、
・ 川路聖謨をして、「一生の間多くの人に会ったが、これほど優れた人物はまだ見たことがない」
・ 水野筑前守をして、「橋本左内を殺したことで、幕府は滅んだのだ」
と言わしめた幕末の大偉人。
西郷隆盛や坂本竜馬に比べると派手さはありませんが、松平春獄公の懐刀として彼等に大きな影響を与え、幕末での貢献度は横綱級といってよいでしょう。
その彼が、純真な志を忘れないようにと、少年の頃に書き留めた「啓発録」。「学」の本当の意味は、家庭や学校や職場で、周囲の人々に真心と愛情をもって付き合い、自分のしなければならない仕事には誠実に立ち向かって、全力を尽くす気構えを持つこと。現代日本の青少年、そして大人こそ一度は味読すべき必須の一冊として強くお薦めします。
純真な志を心から味わえる一冊
★★★★★
日英同盟、国際連盟設立の50‾60年前に、「いずれ世界には国際連盟のようなものができる。その中心になるのは英か露。厳しい国際社会を日本が生き抜くには、開国をして、どちらかの国といずれ同盟を結ばねばならない」と喝破。
・ 西郷隆盛をして、7歳年下の左内を「友として最も尊敬する」と言わしめ
・ 緒方洪庵をして、「橋本はいつかわが適塾の名前を高めるであろう」と絶賛、
・ 川路聖謨をして、「一生の間多くの人に会ったが、これほど優れた人物はまだ見たことがない」
・ 水野筑前守をして、「橋本左内を殺したことで、幕府は滅んだのだ」
と言わしめた幕末の大偉人。
西郷隆盛や坂本竜馬に比べると派手さはありませんが、松平春獄公の懐刀として彼等に大きな影響を与え、幕末での貢献度は横綱級といってよいでしょう。
その彼が、純真な志を忘れないようにと、少年の頃に書き留めた「啓発録」。「学」の本当の意味は、家庭や学校や職場で、周囲の人々に真心と愛情をもって付き合い、自分のしなければならない仕事には誠実に立ち向かって、全力を尽くす気構えを持つこと。現代日本の青少年、そして大人こそ一度は味読すべき必須の一冊として強くお薦めします。