ただ、アメリカ的な「インプロゲーム」です。
つまり、教育的な側面が強いということです。
演劇を志す俳優の卵のためというより、演劇教育のためと考えた
ほうがこの本の趣旨を理解できるでしょう。
これがインプロの全てだとは勘違いしないでください。
何度読んでも楽しい。しかも、しっかりした哲学と理論がある。
(いいかげんな内容ごまかしの理論じゃない!)
必読!
レッスンの項目にもある「イエス・アンド」は、けっして他者を否定しません。
自分も楽しい。いっしょにいる仲間も楽しい。
それが成り立っていくための、きちんとした理論が背景にあるのです。
他の類似ワークショップで、残念な思いをされたかたもいるかもしれませんが、
この本をよーく読めば、そのちがいをわかっていただけるのではないかと思います。
具体的に、この本の特徴として、特筆したいことをあげると、
ファシリテーターとして、やるべきことだけではなく、
やってはいけないことも、きちんと書いてあることです。
これは、ほかのハウツー書では、皆無といってもいいほど見られません。
本当に、参加者の可能性をひらき、また、ワークを有効に進めていくためには、
こうした、しっかりした理論が必要なんだと、あらためて実感します。
ぱっと見ると、160余りのゲームの数に圧倒されて、
単に便利なハウツウ書と勘違いされるかもしれませんが、
上述したように、本当に必要なエッセンスも、随所に盛り込まれているので、
きちんと深く読み込んでほしいです。それでこそ、真価の伝わる本になると思います。