このシリーズのほかの名作タイトルも、なんだか昔日本語で夢中で読んだ本が多くて好きです。それに手に取ったときのサイズが私にとってジャスト、ハードカバーの大きさよりも文庫の大きさよりもちょうどいいのです、本のレビューなのに内容にふれないうちに行数がつきそう(すいません)
あまりに有名なお話なので、ご存知のひとのほうが多いと思ってしまうからでしょうか(笑)
どのお話も大変に美しく涙が自然にこぼれてしまいます。
英語自体もかぎりなく流麗です。辞書がなくては私では読めません。
ですが好きな本ということもありなんとか読めました。
オスカー・ワイルドは自分の子供のために童話を作ったそうですが、私もこの本はたくさんの人に読んでほしいです。
ひとつは The Happy Prince(1888年)。収録作品は、
The Happy Prince
The Nightingale and the Rose
The Selfish Giant
The Devoted Friend
The Remarkable Rocket
もうひとつは A House of Pomegranates(1891年)。
収録作品は、
The Young King
The Birthday of the Infanta
The Fisherman and His Soul
The Star-Child
いずれも哀しい愛に満ちた名作です。ナイチンゲールの話では、死にゆく
ナイチンゲールの姿が情熱的に描かれてつつも結末は無情であり、
思わず人生について考え込んでしまいました。
なお作品によっては、会話の部分に古い英語が使われていて、
少し難しいかも知れません。例えば The Fisherman and His Soul では、
三人称単数形の語尾変化が -s ではなく -th であったり、
現代語にはない二人称単数形の語尾変化 -st が使われていたりします。
(you make, you have ではなくthou makest, thou hast など)
でも普通の学習英和辞典に載っている範囲ですし、大半は辞書を引かなくても
分かるはずなので、ご安心を。
本の内容とは関係ないですが、表紙の絵(高いところから見た
ロンドンの風景)も、いい感じです。お勧めの一冊です。