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Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us

価格: ¥2,236
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: Riverhead Hardcover
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やる気を起こさせるものとは何か ★★★☆☆
何が人間のやる気を起こさせるかについての優れた考察と検証である。著者のピンクは人間のモチベーションを3つに分類している。すなわち、モチベーション1:生存を保障する、モチベーション2:飴と鞭、モチベーション3:内面からわき上がるものである。

成果主義やノルマ、インセンティブボーナスなどお馴染みの手法はすべてモチベーション2に分類される。にんじんをぶら下げて走らされる馬と一緒だ。速度が落ちれば(業績が下がれば)鞭(ペナルティ)が待っている。成果を出せばにんじんがもらえるという訳だ。ピンクによればこれらの手法は短期的には成果が上がる事もあるが長期的にはむしろ業績を低下させるそうだ。成功報酬を提示された時、報酬を獲得することが目的となる。その結果視野を狭めて創造性や独創性が阻害されるのが人間なのだそうだ。そして目標値以上の成果を出そうとしなくなる。一方、目標値の達成が困難な場合は違法な手段や倫理的に問題がある行動を起こしがちである。報酬が目的と化しているので手段は正当化されるという心理だそうだ。

リーマンショックで明らかになった経済原理主義の行き詰まりもこの辺にあるのかもしれない。優秀なはずのMBAホルダー達は四半期ごとに成果を出すこと−そして高い報酬を維持することに汲々とするあまり、違法性の疑わしい取引をしたり数字の操作を繰り返す。報酬も大きいが、成果が出なければ即職を失う彼らは、2〜3四半期以上の長期にわたる視野を失い自らの企業の使命をも見失った。モチベーション2がもはや機能しなくなってきているというピンクの分析は正しい。

一方ピンクが提唱するモチベーション3については、その概念は大いに共感できるものの企業経営の現場でどう具体的に適用するかについては本書ではきわめて観念的な示唆しか提示されていない。モチベーション3が極めて微妙なバランスの上に成り立つものであることはピンク自身も認めている。試行錯誤の段階なのだろう。今後この辺をうまくマネジメントしたどんな企業が現れてくるのか楽しみだ。
文章が面白く、ツールの充実した、あのダニエル・ピンクの新作 ★★★★★
ベストセラー『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』(大前研一訳)『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』(玄田有史訳)などで人気のダニエル・ピンクの新作です。

・創造的な仕事で高い成果を出させるためには、内発的動機付けが、外発的動機付けよりも有効であること
・その例外の条件
・そのためには自律・熟達・目的の3要素が重要なこと
・それらを高めるために必要なツールキット

が書かれています。

面白い点とそんなに面白くない点をそれぞれ書きたいと思います。

■おもしろい点

これまでの作品同様、著者ピンクの良いところは、

(1)文章が面白い(ただ、これは、日本語版『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』を読んだ方が楽しめるかと思います。)
(2)実践項目(「ツールキット」)が非常に充実していて豊富で楽しい
 ツールキットは、「本人向け」「会社向け」「子育てする親向け」「勉強会向け」など、いろいろあります。

また、モチベーションを高めて、どうするのか? 何の能力を高めるのか? という問題がありますが、それについては、著者の『ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代』を読むと良いと思います。

さらに、モチベーションの概念は、ややもすると安月給を正当化するために使われたりもしがちですが、その点、「給与が安いと給与に意識が集中するから、適正〜高めに設定せよ」と、かなり念を押しており、目配りも行き届いています。


■そんなに面白くない点

(1)第三のDriveである「モチベーション3.0」、そして、「I・X型」、「自律・熟達・目的」自体については、ピンクも紹介しているとおり、デシの内発的動機付けの「自律・有能さ・関係性」の3要素や、マクレガーの「X・Y理論」などの延長であり、あるいは、マズローの欲求段階説を思い出される人も多いと思います。なので、このあたりの理論が目新しいかといえば、勉強されている方には理論面では既読感があると思います。但し、先に書いたとおり、文章とツールで十分楽しめます。

(2)上述のとおり、給与は適正〜少し高めがお勧めとのことなので、ピンクは、飛び切り高額な成果報酬などを改善対象にしているように思われますが、日本でこれがぴったりピンと来るかどうかというと、やや疑問な感じもします。(日本では、むしろ、大企業の高額年功給や高額退職金などが当てはまるのかもしれません。(※このあたりは議論の余地あり)) 但し、そのあたりの状況が違っていても、役に立つものは役に立つので、問題ないと考えています。

結論としては、かなりお勧めの一冊です。

黒沢敏浩
やる気の素 モチベーション3.0 ★★★★★
自己啓発セミナーなどで聞いたことのある話を体系的に分かりやすくまとめた一冊。
人間を動かす「やる気の素(DRiVE)」をコンピューターのOSに例え、急速にフラット化していく世界においては、管理や強制といったマネジメントベースのOSは機能不全に陥りつつあり、個人の自主性を尊重するOSにバージョンアップが不可欠と説く。
目標管理などのマネジメント手法に慣れ親しんできた組織管理者には目からウロコの一冊。
経営者、教育者の必読書 ★★★★★
モチベーションを扱ってきた専門書はたくさんあるでしょうが、ビジネスパーソンや経営者向けのモチベーションを扱った本として、これほどしっかりとまとまっている本は他にないと思います。あったらすいません。この本の主題は「お金を(従業員の)モチベーションの餌にすると(ニンジンをぶらさげると)、短期的にはモチベーションが上がるけど、長期的に見てモチベーションは下がる。そしてそれ以降、ニンジンをぶら下げないとモチベーションが上がらない。且つ、経営者も気がつかないことだけど、実はニンジンをぶらさげられると、パフォーマンスは下がる。」そのことを数多くの心理学関連の研究を引用して解説しています。そして「ニンジンをぶらさげるモチベーション向上の方法」をモチベーション2.0と位置づけた上で、お金を使ったモチベーションの上げ方ではなく、従業員や学生を主体としたモチベーションの上げ方、考え方をモチベーション3.0として説明しています。

お金を使って従業員のモチベーションを上げている経営者にとっては耳の痛い話が満載です。たぶん、多くの経営者はこの本に反発するのではないかと思います。本当に従業員のことを思う経営者であれば、ぜひ読んでいただきたい本です。また教育関連の方、特に小学校〜大学までの学校の先生、塾の先生にとっては必須の本だと思います。この本を読んで、「あまりよくわからない、参考にならない」という先生がいたら、うちの子供の先生には絶対になってほしくないと思うぐらい教育者に読んでほしい本です。夏以降に日本語版が出ると聞いていますが、今年の夏以降(2010年8月以降)はこの本に書かれていることをスターティングポイントとして、ビジネス書シーンでは「モチベーション」が話題をかっさらうでしょうね。

この本に対する批判があるとすれば、著者がこの本に都合の良い研究を選りすぐっているという点だと思います。でも、参考にしている研究に関して、ビジネスの観点、教育の観点から具体的に自分の状況に当てはめて考えた時に非常に合点がいくことばかりだったので、その点は正直、気にならなかったです。

また、巻末にはモチベーション3.0ツールキットがついているので、具体的に何をどうすればモチベーション3.0を会社や学校にインストールできるのかが分かります。

経営者はもちろん、教育関係者にも是非読んでいただきたい一冊です。

イムラン