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人形の家 (岩波少年文庫)

価格: ¥672
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:ルーマー・ゴッデン/作 瀬田貞二/訳 出版社名:岩波書店 シリーズ名:岩波少年文庫 067 発行年月:2000年10月 関連キーワード:ニンギヨウ ノ イエ イワナミ シヨウネン ブンコ 67 にんぎよう の いえ いわなみ しようねん ぶんこ 67、 イワナミシヨテン 0365 いわなみしよてん 0365、 イワナミシヨテン 0365 いわなみしよてん 0365 小さなオランダ人形のトチーは、両親と弟のりんごちゃん、犬のかがりと「人形の家」で幸せに暮らしていました。ところがある日、思いがけない事件がおこります…。真実という大切な問題を人形の家にたくした、美しい物語。
名作です。 ★★★★★
当時小学生だった私は、母が子供の時読んでいた本を、母の実家から引っ張り出し読み漁っていました。
そうして出会った数々の本の中に、この「人形の家」もあります。

読書後…
当時はこの本をあまり好きにはなれませんでした。
小学生の私にとっては、納得のいかない事だらけだったからです。
「どうして子供たちは心変わりして、トチー達よりも、あんな見た目が良いだけの性格の悪いお人形を大切にするの?」
「どうしてことりさんは、あんな行動をとったの?」


はじめてこの本を読んでから、約10年経ちました。
いろいろな経験もしました。
楽しいことも、辛いことも…
しかし、それでもまだ「この本が好きだ!」とは言う事ができません…
けれど成長するに連れて、「あまり好きでない児童書」から「大切な児童書」へと変わった事は確かです。

正直、この内容の深さは児童書ではないと思います。
(小学生でも全く読める文ですが…)
大人の方にも薦めたい児童書、名作です。
ゴッデンの処女作にして、児童文学の枠を超えた永遠の物語 ★★★★★
戦後まもなく1946年のロンドンが舞台。本物のアンティークである、100年以上前の木製のオランダ人形トチーは、やはり由緒正しい骨董品である「人形の家」で、お父さん、お母さん、弟に見立てられた人形たちと楽しく暮している。でも、そこに高慢きちなフランス人形がやってきて、家は乗っ取られそうになるが…… 。

母親役のセルロイド人形「ことりさん」は、やはり魅力的だ。頭に鈴が入っているせいか、その場のことだけを考えて、いつもわくわくと楽しげに生きている。なんて素敵なキャラクターだろうと思っていると、あの衝撃のシーン。思わず涙がこぼれた。ここに「死」をもちこんだことで、ゴッデンは軽々と「児童」文学の壁を超えてしまった。

でも、ことりさん人気でやや影は薄いけれど、やはりトチーは主人公にふさわしいと思う。たとえ当時は安く売られていたとしても、上等の材料で誠実に作られたものは、無垢な心を持った子どもたちに愛され続け、100年たっても忘れられはしない。古くても美しい存在――それがトチー、それが本物だ。骨董であれ人間であれ、本物とは何かということを教えられた。

それに、高慢なフランス人形を暴力的に排除するのではなく、違う世界を与えることで共存できる、という解決方法までが、この話では示されている。大人にも一読してもらいたい珠玉の作品だと思う。

あまりに思い出と重なって・・・ ★★★★★
イプセンの作品ではない。家族として幸せに暮らしていた4体の人形たちの運命を描くことで、善悪や正邪、真実とは何か、幸福とは何か、といったことを子どもたちに暗示するような童話である。10月12日の朝日新聞書評欄に宮部みゆきの文章が掲載され、初めてこの作品を知った。訳者は「ナルニア国ものがたり」と同じであるが、残念ながらずいぶん古めかしい訳であり、今の子どもには理解が難しいかもしれないと思う。

私がこの作品を「読む!」と直ちに決め、即日入手したのには理由がある。「もまみこ」のことを思ったからである。

「もまみこ」とは、妹がまだ小さかった頃に、家族全員で可愛がっていた人形たちの総称である。本当はモンチッチの「ちんも」、本当はマイチッチの「ちんま」、モスクワオリンピックのマスコットだった「ミーシャ」、懸賞の一等賞品だったコアラの「コー」。それぞれがそれぞれの個性をもち、学校に通い、私たち兄妹とゲームをしたり、いっしょにテレビを見たり、音楽を聴いたりして、私たちはいつもこの子たちと一緒だった。ままごと遊びと言うなかれ。この子たちは私たちの家族を守り、家族の平和の証であり、家族の思い出の礎になったのである。今はもう、実家の書棚の扉の中で、4人揃って余生を送っているけれど、私と妹とが実家に揃うと時々起きて来て、昔と同じ元気な声を聞かせてくれる。

人形を家族と同じに愛するとはどういうことか、私はよくわかっているつもりである。思い出を共有する家族があり、実家に帰ればいつまでも変わらぬ元気な子たちにいつでも会える。この本には人形たちの思いがたくさん詰まっていて、私のような思い出をもつ者にはひときわ愛おしい。さまざまなメッセージ性を秘めた作品であることは承知の上で、あえて私は人形たちの「願い」に耳を傾けることだけに専念させてもらった。
けっこう深いわ ★★★★☆
この物語で一番印象的な登場人物?は「ことりさん」。
過去にも未来にも縛られずに今一瞬一瞬に生きている姿は、
まるで悟りを開いた禅僧のよう。
そして悲しくも美しい「ことりさん」の最後は、
「友のために命を捨てるほど大きな愛は無い」と説いた、
イエス・キリストの教えそのまんま。
完成された「人間」というのは、一見愚者に思える、
この「ことりさん」のような人形ではあるまいか。
なかなか深いお話だった。
名作。
小さい人にもそれ以外の人にも、女性にもそれ以外の人にも ★★★★★
 全ての人におすすめします。

 まず人形たちが紹介される前半。こまやかで上品な、やさしい語りは、私のくたびれた、あせった気持ちを和らげてくれました。なんで女の子は、ままごととか、人形遊びとか、家庭を再現する遊びをするのでしょうか。あのころの、夢のなかのおうちに対する気持ちがうっすら戻ってくるみたい。小さい人なら、もっと抵抗なく自然に、この世界を自分のものにするでしょう。
 きれいで高価だけれどいじわるなお人形が登場するくだりなんかは、ちょっと少女小説か少女マンガみたいなおもしろさもあります。

 後半の子供たちの様子には、小さいころの、前半とはまた違った感覚をくすぐられました。小さいころって、あんまり夢中で遊んでいて、自分が人形で遊んでるのか、人形に遊ばされてるのか、わけの分からないような状態に簡単になってしまう。気がついたら夕方になっていて、だまされたような気分になる。そういう時間のことを思いだしました。

 でも最高なのは、「ことりさん」という登場人物です。本当に強いってことは、他人に傷つけられないってことじゃない。本当にかしこいってことは、他人より得をするってことじゃない。こんな私でも、強く、かしこくなることはできるはず。そんな、深い大きな訴えかけを、素朴にさりげなく、でもこのうえなく美しく表現しているところは、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にも似ています。どんな人にとっても読む価値のある名作です。