伝説の初期3部作読破しました。


やっぱり高橋源一郎はすごいです。

この小説は相変わらずすさまじいアレゴリーが展開され、正直意味わかりません。たぶん書いている本人もわからせよう、面白いストーリを書こうって気がありません。

でもとても強く、熱い、『言葉』そして『小説』への思いを感じます。

じゃないとこんな小説を数百ページに渡って書けません。


言葉は力だ。


そんなメッセージを一行一行からヒシヒシと感じることが出来ます。

あなたも感じてみてください。

そこに意味や面白さは必要ないのです。

でもよーく読むと彼の小説には「意味」があるのです。

　こういう小説を書ける人を尊敬する。絶版になっちゃってどうしようと思っていたんですが、講談社文芸文庫で復刊されたみたいですね、埋もれさせちゃだめですよ高橋源一郎の本は。
　そもそも、現代、小説や言葉に関してこんなに深く考えている人がこんなにもいるんでしょうか。小説にルールなんてない。ストーリーがなくちゃいけない、意味がわからなくちゃいけない、意味がなくちゃいけない、日本語の作品ぽくちゃいけない、とか、そんなこと誰が決めたんでしょうか。誰も決めていないのに、無意識にそう思っている。その無意識を打ち破ることから、文学は始まるんじゃないでしょうか。高橋源一郎は、人とコミュニケーションは本来突飛なものだ、といっています。この本を読んで、高橋源一郎とコミュニケーションしてみてはいかがでしょうか。
　この小説に意味のあることは書かれていません。でも、とても大事なことは書かれていると思います。