Kevyn Aicoinの本はMaking Faces以外にも持ってますが、日本によくある表面だけを取り繕ったり、異性の目を意識したくだらないメイクの本とはレベルが違います。

もちろん、Kevyn Aicoinのメイクのテクニックは素晴らしい！しかし、Kevyn Aicoinの魅力はそれだけではありません。美に対する哲学があります。私がKevyn Aicoinを他のメイキャップアーティストよりも評価するのはこの哲学によるものです。

彼自身の人生の中から独自の哲学を確立し、伝統的な美の基準に挑戦しています。

一般の人は美の明確な基準は時代の要請によるものだと思っている人が多いかもしれませんが、メイクを勉強したものなら誰でも美の基準があることは知っています。

ブロンドに青い目、ギリシャ彫刻のような顔立ち。

この本の中で彼は完璧な容姿のスーパーモデルだけでなく、あらゆる人種や一般の人々もモデルとして起用しています。これはとても勇気がある行動ですし、全ての人の中に美を見つけることはとても難しいことです。

ゲイに偏見を持ったアメリカ南部でゲイであるセクシャリティーに悩んだ彼だから創りだすことできた美の世界かもしれません。

この本には、ケヴィン自身のメイク哲学や、なぜメイクアップアーティストになったかなどが記されており、通り一遍のメイク本とは一線を画している。もちろんそのまま見て、拾い読みしながら彼の作品（一般人からプロのモデルまで)を眺めるだけでも楽しいし、彼が一人一人の個性を大事にしてメイクアップしているということも感じ取れる。

それよりまず、この本を見てメイクが楽しそうだと感じることが出来ることがすばらしいのだと思う。

表紙の美しさに加え、本の中身もとても綺麗な写真がいっぱいです。
メイクに興味のある方にもおすすめですが、ただ単にスーパーモデルが好きだ☆って方にもおすすめです！　　　

ケヴィンメイクは出来上がりを見ただけではそのコツがわかりません。最も、プロなのだからそうすぐに見た目にわかるようなテクは使わないですよね。この本はケヴィンのメイクの過程を垣間見ることができ、少しでもメイク上手になりたい人にはバイブル的存在となるでしょう。残念なことに東洋人モデルのメイクはごくわずかなので、彫りの深い外国人メイクから少しでもニュアンスを感じ取ることができれば・・。