穴極道
価格: ¥0
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島崎がちらりと振り返った。その瞬間、ほんの一瞬のことだが、島崎のまわりに鉄柵が見えた気がした。島崎を閉じ込めている檻だ。そこでようやく気がついた。島崎はオヤジに飼い殺されているわけじゃない。オヤジがいてもいなくても、この男はとうに閉じ込められているのだ。玉をとられた時から、この体である以上、自由などないのだ……。
それは俺も同じじゃないのか?
その時、自分のまわりにもぐるりと柵がめぐらされているように感じられた。ゾッとして俺は体を震わせた。それを島崎が見ていた。なにか伺うような顔をしていた。もしかしたら島崎には見えているのかもしれない? 俺のまわりを囲んでいる檻が?
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書き下ろし作品。
組の裏切り者を残忍な方法で処罰する極道の男、田山。組長からも一目置かれる男の中の男が、おそろしい復讐をされる。そして田山は……。
コアSM小説です。
局部切断など残酷な描写が含まれます。ご注意ください。