★シリーズ全巻をまとめた、合本版が出ています。★
▼　『旅人、《愚者》 　タロット 78枚の物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B013JLYNXQ

《棒のペイジ》が棒を立てているのはどうして？
《剣のクイーン》は意外に少女趣味？
《杯のナイト》はイケメンだけど頼りない……だけじゃない？
《金貨のキング》は実は騎士上がり？

タロットシリーズ第二弾はコートカード！
《棒のクイーン》によって振り回される15人の宮廷人物たち。
時に仲良く、時に反発しながらも、四つのスートの世界は重なり合う。

ロックンロールイベントの占い師として実践を積んだ著者が贈る、新しいタロットの物語。
タロットを知らない方にはひとつの掌編連作小説として。
タロット占い師さんには一風変わったタロット世界の指南書として（？）、役立つかもしれない一作。

パメラ・コールマン・スミスの絵柄を挿し絵として拝借し、16枚の小アルカナ・コートカードの世界を描きます。

※画像はすべて日本で著作権が切れ、パブリックドメインになっているものを使用しています。

▼タロットシリーズ第一弾『旅人、《愚者》 　タロット 大アルカナの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00HBRCT6I
▼タロットシリーズ第三弾『《杯》は満ちているか: タロット 小アルカナの物語【1】 カップの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00MKBY3SM
▼タロットシリーズ第四弾『《棒》を掲げよ: タロット 小アルカナの物語【2】 ワンドの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00RI16HHE
▼タロットシリーズ第五弾『実りの《金貨》: タロット 小アルカナの物語【3】 ペンタクルスの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00TVASEU8
▼タロットシリーズ第六弾　『災禍を絶つ《剣》 　タロット小アルカナの物語【4】ソードの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B013JLIPB2

■目次
・《序章》
・《棒のクイーン》
・《棒のキング》
・《棒のペイジ》
・《棒のナイト》
・《剣のペイジ》
・《剣のナイト》
・《剣のクイーン》
・《剣のキング》
・《杯のペイジ》
・《杯のナイト》
・《杯のクイーン》
・《杯のキング》
・《金貨のペイジ》
・《金貨のナイト》
・《金貨のクイーン》
・《金貨のキング》
・《終章》

――――本文より（《序章》）
　木の棒は燃えやすい。けれども生きている木ならば、途中でくすぶることもあるだろう。切り取られ、手折られてもなお、芽吹こうとする生命力。燃えてもまた、灰になることはない。それがワンドの力強さ。

　ソードを振るえば風が起こる。重き長剣ならばなおさらのこと。思い切って振るうほど、風は強く、その力はしばしば破滅的な脅威となる。それでもそれが求められるのは、勢いをつけねば成し得ぬことがあるから。

　変幻自在の形のない水。それに形を与えるものがカップ。まとまりのないものをまとめ、落ち着かせるのは武力ではなく、包容力。見えにくいものを確たるものに変える。ただし、一点に留まる水は濁りやすい。絶えず循環させなければ。

　豊かさを象徴するものはすなわちペンタクルス。それを誇示するものは、あるいは蔑まれることもあるかもしれぬ。けれど、それが表すものは、この大地に根ざす、目に見えるものすべて。物質的なものをなくして、存在を証明することなどできはしない。

――――――
読了にかかる時間 約98分 （500字/分の場合）
文庫本換算 約130ページ（39字×15行）