災禍を絶つ《剣》: タロット 小アルカナの物語【4】 ソードの物語 (魔女のアルカナ文庫)
価格： ￥0
カテゴリ： Kindle版
ブランド： 魔女のアルカナ出版
★シリーズ全巻をまとめた、合本版が出ています。★
▼ 『旅人、《愚者》 タロット 78枚の物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B013JLYNXQ
《剣の３》が血を流していないのはどういうこと？
《剣の６》はどうして舟に突き刺さっているの？
《剣の10》の人物は死んでしまったの？
タロットシリーズ最終巻は小アルカナのソード！
風を斬る剣の唸りに勢いこんで戦へ出れば、そこにあるのは惨状。
欲しいものを手に入れるため、必要なのは武力か、知力か。
世界を待つのは破滅か、それとも……？
ロックンロールイベントの占い師として実践を積んだ著者が贈る、新しいタロットの物語。
タロットを知らない方にはひとつの掌編連作小説として。
タロット占い師さんには一風変わったタロット世界の指南書として（？）、役立つかもしれない一作。
パメラ・コールマン・スミスの絵柄を挿し絵として拝借し、10枚の小アルカナ・ソードの世界を描きます。
※画像はすべて日本で著作権が切れ、パブリックドメインになっているものを使用しています。
※小アルカナ（数札）シリーズの四巻に当たりますが、本書単体でも十分お楽しみいただけます。
▼タロットシリーズ第一弾『旅人、《愚者》 タロット 大アルカナの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00HBRCT6I
▼タロットシリーズ第二弾『黒猫は《棒のクイーン》 タロット コートカードの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00K88QW88
▼タロットシリーズ第三弾『《杯》は満ちているか タロット 小アルカナの物語【1】 カップの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00MKBY3SM
▼タロットシリーズ第四弾『《棒》を掲げよ タロット 小アルカナの物語【2】 ワンドの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00RI16HHE
▼タロットシリーズ第五弾『実りの《金貨》 タロット 小アルカナの物語【3】 ペンタクルスの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00TVASEU8
■目次
・序章
・《ソードのエース》
・《ソードの２》
・《ソードの３》
・《ソードの４》
・《ソードの５》
・《ソードの６》
・《ソードの７》
・《ソードの８》
・《ソードの９》
・《ソードの10》
・終章
――――本文より（《序章》）
力が欲しいと、願ったことのない者はいるだろうか。
絶大なものでなくともいい。
ほんのちょっとでもいい。
自分にもっと力があれば、幸せになることができるのに。
自分にもっと力があれば、幸せにすることができるのに。
知力。
財力。
体力。
今の自分に満足して、これ以上など望まない。
それほどに恵まれた者が、この世にどれだけいるだろうか。
一振りの剣のごとく、鋭い一言が言えたなら。
一振りの剣のごとく、重みのある財宝を持っていたなら。
一振りの剣のごとく、相手を即座にひれ伏させることができたなら。
それを生涯望まずに過ごすことのできた者は、幸福だろうか。
それとも、それを望むことすらできないほどの時間しか生きられなかった、不幸な者なのだろうか。
《剣》。
それは、力だ。
煌めく美しさ。
一陣の風を起こすスピード。
切っ先のごとく鋭い知性。
それを手にした者が自分に向かってきたなら、その後どうなるか。誰もがその未来を的確に予知できるほどの情報を持つもの。
それを縦横無尽に操ることのできる者はきっと、畏怖され、崇拝の対象にすらなるだろう。
けれど。
我々は知っている。
煌めく美しさの先に起こる惨劇。
繰り出される、風を斬る速さに感じる恐怖。
鋭く突き出された切っ先により、打ち砕かれる希望。
正確な情報により、定まった絶望。
畏怖とは、ある意味ではまやかしの平和。
力によって治められた統治に、ついて回るのは不安。
我々は、知っているはずなのに。
それでも、力を求める。
一瞬でも力を持つことさえできれば、その後にきっと、平穏に移行できると安易に考える。
それがどんなに苦難の道か、我々は歴史に学んでいるというのに。
なぜなのか。
力は、永続しない。
どんなに強い力でも。
それでも、望むのは、なぜなのか。
我々には、力が必要だ。
自分を守るために。
誰かを守るために。
その先に、破滅が待っていようとも、力を手にしない限り、今、終わってしまう。
未来がないよりきっと、破滅的な未来でもあった方がいい。
未来を変えるのは、自分だから。
破滅的な未来ではなく、希望に満ちた未来へと、変えていけばいい。
それしかないのだ。
《剣》は恐怖。
《剣》は絶望。
違う。
恐怖を感じるのは、自分。
絶望を見るのは、自分。
切り開かなければいけない。
力を手にした今。
過去を斬り捨て、現在を打開し、未来を斬り拓く。
力がなければ、それはできない。
絶大な力でなくてもいい。
ほんの少しの、力。
あるかもしれない破滅をも、その力で打ち砕く。
だから、求める。
さぁ、その柄を握り、その刀身に映る我が身を見つめよ。
今、それは、自分の中にある。
――――――
読了にかかる時間 約74分 （500字/分の場合）
文庫本換算 約100ページ（39字×15行）
▼ 『旅人、《愚者》 タロット 78枚の物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B013JLYNXQ
《剣の３》が血を流していないのはどういうこと？
《剣の６》はどうして舟に突き刺さっているの？
《剣の10》の人物は死んでしまったの？
タロットシリーズ最終巻は小アルカナのソード！
風を斬る剣の唸りに勢いこんで戦へ出れば、そこにあるのは惨状。
欲しいものを手に入れるため、必要なのは武力か、知力か。
世界を待つのは破滅か、それとも……？
ロックンロールイベントの占い師として実践を積んだ著者が贈る、新しいタロットの物語。
タロットを知らない方にはひとつの掌編連作小説として。
タロット占い師さんには一風変わったタロット世界の指南書として（？）、役立つかもしれない一作。
パメラ・コールマン・スミスの絵柄を挿し絵として拝借し、10枚の小アルカナ・ソードの世界を描きます。
※画像はすべて日本で著作権が切れ、パブリックドメインになっているものを使用しています。
※小アルカナ（数札）シリーズの四巻に当たりますが、本書単体でも十分お楽しみいただけます。
▼タロットシリーズ第一弾『旅人、《愚者》 タロット 大アルカナの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00HBRCT6I
▼タロットシリーズ第二弾『黒猫は《棒のクイーン》 タロット コートカードの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00K88QW88
▼タロットシリーズ第三弾『《杯》は満ちているか タロット 小アルカナの物語【1】 カップの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00MKBY3SM
▼タロットシリーズ第四弾『《棒》を掲げよ タロット 小アルカナの物語【2】 ワンドの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00RI16HHE
▼タロットシリーズ第五弾『実りの《金貨》 タロット 小アルカナの物語【3】 ペンタクルスの物語』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00TVASEU8
■目次
・序章
・《ソードのエース》
・《ソードの２》
・《ソードの３》
・《ソードの４》
・《ソードの５》
・《ソードの６》
・《ソードの７》
・《ソードの８》
・《ソードの９》
・《ソードの10》
・終章
――――本文より（《序章》）
力が欲しいと、願ったことのない者はいるだろうか。
絶大なものでなくともいい。
ほんのちょっとでもいい。
自分にもっと力があれば、幸せになることができるのに。
自分にもっと力があれば、幸せにすることができるのに。
知力。
財力。
体力。
今の自分に満足して、これ以上など望まない。
それほどに恵まれた者が、この世にどれだけいるだろうか。
一振りの剣のごとく、鋭い一言が言えたなら。
一振りの剣のごとく、重みのある財宝を持っていたなら。
一振りの剣のごとく、相手を即座にひれ伏させることができたなら。
それを生涯望まずに過ごすことのできた者は、幸福だろうか。
それとも、それを望むことすらできないほどの時間しか生きられなかった、不幸な者なのだろうか。
《剣》。
それは、力だ。
煌めく美しさ。
一陣の風を起こすスピード。
切っ先のごとく鋭い知性。
それを手にした者が自分に向かってきたなら、その後どうなるか。誰もがその未来を的確に予知できるほどの情報を持つもの。
それを縦横無尽に操ることのできる者はきっと、畏怖され、崇拝の対象にすらなるだろう。
けれど。
我々は知っている。
煌めく美しさの先に起こる惨劇。
繰り出される、風を斬る速さに感じる恐怖。
鋭く突き出された切っ先により、打ち砕かれる希望。
正確な情報により、定まった絶望。
畏怖とは、ある意味ではまやかしの平和。
力によって治められた統治に、ついて回るのは不安。
我々は、知っているはずなのに。
それでも、力を求める。
一瞬でも力を持つことさえできれば、その後にきっと、平穏に移行できると安易に考える。
それがどんなに苦難の道か、我々は歴史に学んでいるというのに。
なぜなのか。
力は、永続しない。
どんなに強い力でも。
それでも、望むのは、なぜなのか。
我々には、力が必要だ。
自分を守るために。
誰かを守るために。
その先に、破滅が待っていようとも、力を手にしない限り、今、終わってしまう。
未来がないよりきっと、破滅的な未来でもあった方がいい。
未来を変えるのは、自分だから。
破滅的な未来ではなく、希望に満ちた未来へと、変えていけばいい。
それしかないのだ。
《剣》は恐怖。
《剣》は絶望。
違う。
恐怖を感じるのは、自分。
絶望を見るのは、自分。
切り開かなければいけない。
力を手にした今。
過去を斬り捨て、現在を打開し、未来を斬り拓く。
力がなければ、それはできない。
絶大な力でなくてもいい。
ほんの少しの、力。
あるかもしれない破滅をも、その力で打ち砕く。
だから、求める。
さぁ、その柄を握り、その刀身に映る我が身を見つめよ。
今、それは、自分の中にある。
――――――
読了にかかる時間 約74分 （500字/分の場合）
文庫本換算 約100ページ（39字×15行）