ストーリーはもちろん、作画力、伏線、登場人物の心境、そして「例え」にこの作品の魅力はあります。

一度読んでストーリーを知った後、読み返してみるとこの作品のレベルの高さに驚くと思います。随所にでてくる「例え」の意味深さ、きれいさにはっとし、感動します。その表現はとても詩的で、作品をとても繊細な雰囲気にしています。
そして、登場人物たちが示していた伏線にぞっとします。「ここでの表情はこういう意味だったのか」と思うと同時に、誰もが持つ人間の弱さと強さをとても考えさせられます。

こんな文章だと暗い雰囲気かと思われるかも知れませんが、前作「伊賀ずきん」でも表れていたたなさん特有のユーモアで明るいところも結構あります。

私は読んで生き方変わりました。
超絶おすすめの作品です。

タビと道づれ。堂々の完結ですね。

なんとも素敵な幕引きでした。
少し曖昧な所があったり、タイムパラドックスな所もありましたが、タビの最後の笑顔がそれを吹き飛ばしてくれました。

この物語は、人間の心の闇だったり、弱さだったりをテーマにしており、暗い印象が強いです。
ですが、辛い事や嫌な事が沢山あっても、それでも頑張って生きてゆこうという前向きなメッセージが随所に盛り込まれています。
キャラクター達の成長を通して非常に考えさせられる作品でした。また、意外とコミカルな面も多く、なかなか笑えます。


｢ARIA｣で有名な天野こずえさんも絶賛している作品ですので、ARIA好きな人にはオススメかもです。