ジーザスこそ我が理想の主人公!
★★★★★
これまでは本作のレビューを書けば興奮で訳のわからないものになってしまうと思い書かずにいましたが、もう我慢の限界なので書き込ませていただきます。
前作『JESUS』を読んだときの衝撃は忘れることができません。七月鏡一の名前は、氏の受賞原作漫画を増刊号で読み、知っていました。その方の初連載作品のタイトルが『JESUS』だと予告で知り、ネーミングセンスがないなと鼻で嗤ったのを覚えています。
ところが本編を読んだ結果、私はいかに自分の予想が未熟で愚かだったのかを思い知らされ、顔から火が出るほど恥ずかしい思いに転げ回りつつ、心の中で切望していた理想をはるかに上回るヒーローの活躍に、興奮と感激で身を震わせました。
「JESUS」の異名の二つの意味。これ以上ない格好いい決め台詞。次々と登場する魅力的な強敵(彼らの二つ名がまた素晴らしい!)。犯罪結社のイメージを大きく覆す、組織「24」との壮絶な戦い。その中で、不敵な笑みを浮かべて戦い続ける主人公・ジーザスに惚れ込みました。新たな連載作品『闇のイージス』の中でも彼が登場して、主人公・楯雁人と共演したときには、私は嬉しさのあまり踊り回ったほどです。
そして本作(時間がかかってごめんなさい)。砂塵の国カダス共和国で、前政権の軍残党の暴虐に踏みにじられる子供たちの前に現れた男は、たった一人でありながら、圧倒的な戦闘スキルで軍残党を蹴散らし、「ジーザス!」と彼の名を叫ぶ指揮官に言い放ちます。「俺の名前だ。地獄に堕ちても忘れるな」と。
次ページで舞台は現在の日本へ。莫大な資金力で不況にあえぐヤクザたちを統率する女子高生・綾木日奈。かつてのジーザスの怨敵と同じ「クイーン」を名乗る彼女を正体不明の連中が襲ったとき、コンバットパイソンが新たな開戦の号砲を鳴らします。
再び闇で囁かれる組織「24」の存在。ジーザスの前に立ちはだかる狙撃手が口にする、死んだはずの、ジーザスの宿敵にして最高の友、御堂真奈美の名前……。
文字通り、前シリーズファンへのサービスも全開。最高のヒーローの復活です!
これほど「絵になる」原作があろうとは!
★★★★★
元々、「殺し屋にして教師」の「ジーザス」を、少年サンデー誌上で堪能した私。もちろん、コミックスも全巻、揃えている。そして何度繰り返して読んでも、(かなり平井和正氏の影響を受けたと思われる)七月鏡一さんの原作は面白い。そして、その原作を見事にビジュアル化している藤原芳秀さんの作画も冴えている。
そんな「ジーザス」ファン待望の続編が出た!正統な「ジーザス」のDNAを受け継いでいる。そして新しく登場する女子高生達が(・∀・)イイ!!。私がロリコンだというわけではない(………たぶんw)。彼女達のキャラクター描写と作画が見事だということである。
それにしても、このコミックは携帯電話で配信される「読者泣かせの作品」である。携帯サイトで見ていたら、あっという間にパケット料金がMAXまで行く。だから、通常なら紙媒体として発売されるのを心待ちにするのが賢明なのだ。それなのに、サイトで読み、単行本が発売されたら読むという馬鹿な私である_| ̄|○
幸いなことに、もう「砂塵航路」は1〜4巻まで、紙媒体で読めることになる(ちなみに4巻の発売日は2010年2月末頃)。今の時点で連載されている全てのコミックの最高峰に位置する(と私は思う)この作品を読めて、とても嬉しい。
ちなみに「ジーザス」は、続編の「砂塵航路」からではなく、初期からのもの(文庫化されている)から読もう。
JESUS (1) (小学館文庫)
作成日: 2010年2月17日(水)
昔のまま
★★★★★
少年誌のハードボイルドとして長すぎず短すぎず奇跡のようにうまくまとまったJESUSの続編。
続編は面白くないというのが定番ですが、本書は昔のままのノリで安心しました。
16年も間が空いているとは思えず、まるで連載が続いていたかのようです。
(女子高生の制服などに時代が見えますが)
JESUSは途中で敵を殺さなくなったり義賊になったりせず、あくまで容赦なく敵を倒していくので爽快です。
かといって青年コミックなどでよくある過剰な残酷描写やレイプなどがなく安心して読めます。
前作から好きです
★★★★☆
あの『JESUS』の続編ですね。初期設定はギャグ混じりなのに、ストーリーがどんどんシリアスになっていって・・・。完全なハードボイルドとなっての終了でした。
この『砂塵航路』ははじめからハードボイルドアクションです。戦う為に日本へ戻ってきたジーザスは再び高校の教師となりますが、この巻で、ある生徒には早くも正体がバレてます。といっても、その生徒も戦いの当事者のようなものですが。
続編はもはやブームと呼べるし、他の作品にジーザスが登場していたので、JESUSの続編が出ても驚きはしませんでした。というか嬉しい!橿原の爺さんもお元気そうだし。続きが楽しみです。
2009年11月末まで3ヵ月連続リリースで一気に3巻まで出るそうなので、あまり待たされずに続きが読めるのも嬉しい限り。
この作品のレビューに書くのも変ですが・・・前作の御堂真奈美の散り際は実に見事で素晴らしく、そして悲しい名シーンでした。この作品でもさまざまな名シーンに出会えることを願っており、また信じてます。
ダークヒーローの復活
★★★★☆
16年前に刊行された「JESUS」の続編。「暁のイージス」にも登場していた殺し屋ジーザスの前に再び24の影がチラつく。
楯雁人は色々と歪みを抱えていて悩むので、人を殺さないのにダークサイドの人間という印象があるけれど、一方でジーザスは人を殺しまくるくせに、最後には子供を助けたりもするので、ヒーロー的な印象があるのが不思議だ。