冒険の旅に出た青い目のこねこ。でも、いろんな動物に邪魔されるばかりで、なかなかお目当ての「ねずみのくに」は見つからず、おなかはぺこぺこ。やっと出会った黄色い目のねこたちには、おまえの目は青くてへんだ、と冷たくされる。でも、降ってわいた災難のおかげで…… 。

冒険、食べるものを見つけること、ちがうものたちとの出会い、仲間はずれと仲直り。前向きに生きていかなければ、というより、小さい命が成長するってそんなことなんだ、とすとんとお話が胸に落ちてきた。

こねこが池に映った自分の顔を見て、「青い目はきれいだし、かおもへんてこではありません」と「うれしく」なるところが、とても好きです。ほかの多数の人と違っている自分が好き、というのは、本当はとても難しいことだと思うけれど。心の中にずっと住んでいてもらいたい青い目のこねこです。

みんなと同じことが普通とされがちな日本の社会に対して、あおい目のねこはみんなと違うことの大切さを素朴に教えてくれました。6歳のこどもにも自然に理解できたようです。

番組を見て早速こどものためにと購入してみました。
読み聞かせをしていたら、自分もこどものころに
読んだ記憶がよみがえってきました。ロングセラーの作品は
感動を親子ともども共有できるところにあるのでしょうね。

　こどもの頃、飼っていたシャム猫がちょうどこんな色の目をしていました。そんなこともあってこの本を手に取りましたが、お話だけでなく魅力的な絵もあいまって、大切な絵本のひとつです。
　この絵本は、左右見開きで左側がおはなし、右側が絵ときちんと装丁されています。色使いは、白黒と黄色、そしてこねこの大きな目の青だけですが、かえってシンプルさが絵の魅力を引き出しています。
　青い目のこねこは目の色がほかのねこと違うということで仲間に受け入れられないけれども、素直にまっすぐ前をみて、ねずみの国を目指す姿に感情移入してしまいました。こどもは、いぬがのびてしまった姿がおもしろかったそうです。
　

　子どもの時に好きだった「あおい目のこねこ」。いつのまにか無くしてしまい、大人になって書店で懐かしい表紙に出会い、もう一度手に入れました。

　犬の背中にしがみついたこねこが「山をのぼって、山をくだって、また山をのぼって、またくだって、またまたのぼって、またまたくだって・・・・」子どもの頃、なぜこのシーンが強く印象に残ったのか、大人になった今では、不思議です。 　どこかに置いてきてしまったかもしれない子どもの心を思い出させる、私にとって、そんな本です。