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ヒー・イズ・レジェンド (小学館文庫)

価格: ¥860
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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健闘は讃えられますが評価の定まったサスペンスの関連作は難しいなと感じました。 ★★★☆☆
20世紀アメリカが生んだ恐怖を核としたサスペンス小説の偉大な巨匠マシスンの名作群を愛する作家達により書かれた関連作8編(原著の半分)を収録する豪華なホラー・トリビュート・アンソロジーです。本書は偉大な作家の有名作を優秀な後輩達が別の切り口で料理した真に夢の様な企画なのですが、読後に思わぬ難しさを感じました。それは原作の良さを壊してはいけないという思いが生む無意識の遠慮からか、全体的に飛び抜けた面白さが感じられない点です。既に決められた筋立てに新たな驚きを付加するのはプロといえども至難の業だなと痛感した次第ですが、それでも時代を超えて困難に挑んだ結果はまずまずの出来でナイス・トライ!と讃えられて良いと思います。
『スロットル』スティーヴン・キング&ジョー・ヒル著:「激突!」の狂ったトラック運転手の恐怖が再び甦り、父子の断絶の物語を実の親子作家が書くのも粋な演出ですが、元と違う最後の真相はやや残念です。『リコール』F・ポール・ウィルソン著:「種子まく男」の極悪な人非人の最悪の末路。『伝説の誕生』ミック・ギャリス著:「アイ・アム・レジェンド」序章ですが短く味わいに欠けます。『OK牧場の真実』ジョン・シャーリー著:「ある日どこかで」関連作で時間旅行により過去を変更して妻を救おうとする男の悲恋物語です。『ルイーズ・ケアリーの日記』トマス・F・モンテルオーニ著:「縮みゆく人間」を男の妻の立場から描いたコミカルな一編。『ヴェンチュリ』リチャード・クリスチャン・マシスン著:マシスンの息子が「陰謀者の群れ」から着想を得た話で、映像作家らしい出来栄えです。『追われた獲物』ジョー・R・ランズデール著:「狙われた獲物」の呪物人形が今度は男に襲い掛かり、必死の死闘を繰り広げます。『地獄の家にもう一度』ナンシー・A・コリンズ著:「地獄の家」のおぞましい悪霊に昔懐かしいオカルト映画の興奮と戦慄が甦ります。
駄作の集合 ★☆☆☆☆

何はともあれ、キング&ヒル親子の合作短編が読めるとあってはこれは買いでしょう、という感じで購入した本書は、ホラー・SF・ファンタジーの巨匠であるリチャード・マシスンの作品あるいは一連の作品群に対して、これまた当代きってのストーリー・テラーと呼ばれる執筆陣がトリビュート(オマージュ)として書いた短篇によって編まれたアンソロジーである。

と書くと、嫌が上にも期待は膨らむばかりなのだが…のっけからキング親子がこの期待を思いっきり裏切ってくれる。キングの短篇には時々見られるのだが、作品が自己満足というか、自己完結しちゃってて、全く読者をひきつける「作品力」がない。他の作品も同様。マシスンJr.も執筆陣に名を連ねているが、どれが彼の作品なのかといった印象すら残らない。贔屓目に考えれば、執筆陣がマシスンの名前にビビッているのだろうか?

正直、駄作の集まりである。こんな作品しかトリビュートされないなら、マシスンも大したことないなと思わせてしまうし、コンロンのアンソロジストとしての腕も疑いたくなる。

キング・ファン、ヒル・ファン(そしてマシスン・ファン)以外は手に取るべきでない1冊。
なるべくなら、オリジナルに目を通しておいた方が…… ★★★☆☆
リチャード・マシスン作品を題材にしたトリビュート・アンソロジー。

収録先品
・「スロットル」−「激突!」から着想を得た作品 ……ジョー・ヒル&スティーヴン・キング
・「リコール」−「種子まく男」の続篇 ……F・ポール・ウィルソン
・「伝説の誕生」−『アイ・アム・レジェンド』序章 ……ミック・ギャリス
・「OK牧場の真実」−『ある日どこかで』続篇 ……ジョン・シャーリー
・「ルイーズ・ケアリーの日記」−異聞『縮みゆく人間』 ……トマス・F・モンテルオーニ
・「ヴェンチュリ」−「陰謀者の群れ」から着想を得た話 ……リチャード・クリスチャン・マシスン
・「追われた獲物」−「狙われた獲物」の続篇  ……ジョー・R・ランズデール
・「地獄の家にもう一度」−『地獄の家』序篇  ……ナンシー・A・コリンズ

この手の本のお約束で、オリジナルを知らなくても楽しめる、というのがあるけど、少なくとも序章や続編として書かれた作品は元を知らないと楽しめないと思う。特に、「リコール」「伝説の誕生」「ルイーズ・ケアリーの日記」はオリジナルを知っているのが前提かなぁ。
「追われた獲物」はわかってやってるんだと思うんだけど、ガジェットが共通してるだけのホラー映画続編的テイスト。
そんな中で、「地獄の家にもう一度」はオリジナルを知っていれば無論楽しめるし、これ単品でもしっかりホラー短編として成立しているのが上手い。

訳されているのは、原著からの一部で、「運命のボタン」の続編はタイミング的に入れるべきでしょ〜
個人的には、「男と女から生まれて」を入れて欲しかった……