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二人が睦まじくいるためには

価格: ¥1,313
カテゴリ: 単行本
ブランド: 童話屋
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:吉野弘/詩 出版社名:童話屋 発行年月:2003年10月 関連キーワード:フタリ ガ ムツマジク イル タメ ニワ ふたり が むつまじく いる ため にわ、 ドウワヤ ドウワヤ 5388 どうわや どうわや 5388、 ドウワヤ ドウワヤ 5388 どうわや どうわや 5388 祝婚歌ひとに早春のバスの中で生命は白い表紙身も心も母・舟・雨夕焼け伝道雪の日に〔ほか〕
これからも、いっそう睦まじくいきたいです ★★★★★
私が結婚する頃には不勉強なため、吉野弘さんを知りませんでした。
子どもがだんだんに巣立ち始めた現在、この詩集を手にとってみると、感慨深いものがあります。
また、先日、折に触れてお導きいただく大先輩ご夫妻にお目にかかりました。
結婚されて四十年以上経つお二人ですが、培ってこられた家庭や夫婦の絆を思うと、『二人が睦まじく
いるためには』と重なるものを私は感じました。
新婚さん向けだけの詩集だと思っているともったいないですね。
私たち夫婦も、これからの日々を睦まじく暮らしていきたいと思っています。
二人が睦まじくいるためには ★★★★★
9月21日に愛する主人が42歳という若さで他界しました。
その葬儀の挨拶にて主人が愛してやまなかったこの詩を読ませていただいて挨拶にかえさせて頂きました。
その後、この詩が素晴らしかったとたくさんの方から申され、教えてほしいと言われました。この詩は付き合い始めた頃、主人からプレゼントされ 結婚式のビデオにて敬愛する恩師の奥様がご自身のお宅の縁側に座り、この詩を日向ぼっこをしながらゆっくりゆたかに読んで下さっていました。
「あー、このような詩の世界のご夫婦なのだろうなあ。素敵だなあ♪」と思ったものでした。
その時点で奥様はご主人を亡くされていたのですが・・・。今度は私が同じ立場で読ませていただくことになってしまいました(ただ年月は雲泥の差がありますが)。
お祝いの席でも葬儀の席でも 普遍的に心に入ってくる詩であると思います。
柔らかなビロードのような詩集 ★★★★★
吉野弘の視点は優しく、時として繊細すぎる。
長い間、病気と共に過ごしてきたためだろう。

治らない病気に対する不安
治れない自分に対する自己嫌悪
整理のつかない胸の内に苦しめられる中、
それでも自分を支え続けてくれる周囲に
素直な感謝の気持ちが沸いてくる経験。

少し考えすぎているような詩が多いのも
闘病生活が背景にあるのだろう。
病気はいやおうなく自分の体、自分自身の奥底へと心を閉じ込めていく。

冒頭の「祝婚歌」が飛びぬけて心に響くのは
堅い殻に閉じこもった結果生まれる技巧を超えて
さらにその先の、乳白色の外殻を打ち破り、透明な世界へ自らを解き放ったとき初めて眼前に現れる、周囲の人々への、
生きていることへの素直な感謝の気持ちが、すっと自然に表出しているからだと思う。

立派過ぎないほうがいい。

完璧をめざさないほうがいい。

生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
毀誉褒貶の原因〜ブンガクは芸術であって、道徳とは無関係なんだが…。 ★★★☆☆
語ることにより意味を主張しながら「無言」を優しさとして礼賛する、というのはナンセンスである。一方、有言詩人が優しいのなら、取り立て無言を礼賛する必要もあるまい。音としての詩を発しているだけ? だったら無意味な語の羅列があるはずだ。
ほとんど〜人間界に完全はないから、ほとんど〜が「夕焼け」の主人公のような人物から成る社会はどのような社会だろうか。おぞましくないか。
要するに詩人が描いたのは「少数派」である。少数派が無言だと悲惨なことになる。この詩が意味を伝えているとすればそこである。この詩は悲惨を悲惨のまま描いている。この態度はリアリズムであり、詩人がそれを傍観していたという点を除いても、「優しさ」と言えはしない。
この詩は(大部分の読み手の読みに反して?) たとえば義務教育で教えるべき「問い」を示唆している。「これは○であるか」「○は誰もが避けたいと思うか」「○にならないためにどうすべきか」「あえて○を選ぶとしたらどんなときか」「○に陥った人にどう対処すべきか」(○は「悲惨」でも「少数派」でも問いは成立する)「社会人にはどのような能力が必要か」「政治の基礎とは何か」を問うという道徳である。教育とは問い方を教えることであって答えを教えることではない(という道徳を教えることではある)。
多様な解釈こそ文芸の醍醐味である。文芸は芸術の一種であり、文芸でない文章は論述である。学者は論述が仕事だ。文学者(文士詩人ではない)であれば、地の文は論述である。論述に多様な解釈は許されない。「夕焼け」に対する毀誉褒貶は読みの立場による。つまり芸術・論述・道徳で全く異なる。詩人や主人公を「優しい」というのはブンガクだが論述ではない。この詩は文士詩人およびブンガク解釈を道徳として学んでしまう勘違いだが愛すべきブンガク愛好大衆ムラと、道徳嫌いな学者ムラを分ける、ガラスに書いた書き割りのような存在である。
詩人のまっすぐで、あたたかな言葉が胸に染みる、とても素敵な詞華集です。 ★★★★★
 タイトルの『二人が睦まじくいるためには』は、本書の冒頭に収められた「祝婚歌」の最初の一行からとられています。吉野弘さんの詩の花束から32編を選び、最後に、「祝婚歌」に寄せた茨木のり子さんの文章を載せて。それがポケットサイズの詞華集である本書です。
 吉野弘さんの誠実で真摯なお人柄やあたたかくて澄んだ眼差し、それが行間から立ち上ってくるような詩だなあと、久しぶりに読み返してあらためてそう感じました。

 満員電車の光景を描いて胸がぎゅっと締め付けられるような「夕焼け」もいいですし、英語を習い始めて間もない弘少年と父親との会話に切ない気持ちにさせられる「I was born」も印象に残ります。
 でも、何度読んでも「これはいいなあ。素敵な詩だなあ」と思うのは、冒頭の「祝婚歌」という一編。海原に朝の光がすっと射し、あたたかな光で満たされていくような、そんな味わいにしみじみとさせられる詩です。

 本書に収録されている詩のほかにも、吉野弘さんの詩、素敵な作品がまだまだあります。吉野弘さんの詩をもっと読んでみたくなった方には、花神社刊行の『花神ブックス2 吉野弘』を手にされることをオススメします。吉野さんが、谷川俊太郎さんや大岡信さんを始めとする「櫂」の仲間と同席した時の写真や、ふたりの娘さんや御夫人と写っているスナップ写真も見ることができますよ。