もしかしたら明日起きてしまうかもしれない
★★★★★
昨日、イラクで日本人が3人拘束されたというニュースを聞いて、無性にこわくなりました。読んだばかりのOryx and Crakeでは、一日にして世界が崩れ落ちてしまいますが、それが現実にも起きるのではないか、と思ったのです。今まで一番こわかったのは地震などの天災でした。だけど、もしかしたら、明日にでも信じているものが覆され、大事な人を失い、自分も命を落としてしまうかもしれない。この本は、系統からいえば侍女の物語に似ています。描かれている近未来は明るいものではありません。だけど、これほど優しいトーンで描かれたアトウッドの作品を私は知りません。きっとそれは彼女の小説にしては珍しく男の子が主人公だからなのでしょう。一部アクションあり、サスペンスあり、ロマンスあり、メルヘン?ありと、超エンターテイメント盛りだくさんなところはいかにもアトウッドです。読み始めると、止まりません。読み終わりたいけど結末が知りたい、となんど繰り返し思ったことでしょう。そして、とうとう読み終わって深い感動に浸っている間も、背筋を走るのは、現実に起きてしまいそうだ、という恐怖です。
もしかしたら明日起きてしまうかもしれない
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昨日、イラクで日本人が3人拘束されたというニュースを聞いて、無性にこわくなりました。読んだばかりのOryx and Crakeでは、一日にして世界が崩れ落ちてしまいますが、それが現実にも起きるのではないか、と思ったのです。今まで一番こわかったのは地震などの天災でした。だけど、もしかしたら、明日にでも信じているものが覆され、大事な人を失い、自分も命を落としてしまうかもしれない。この本は、系統からいえば侍女の物語に似ています。描かれている近未来は明るいものではありません。だけど、これほど優しいトーンで描かれたアトウッドの作品を私は知りません。きっとそれは彼女の小説にしては珍しく男の子が主人公だからなのでしょう。一部アクションあり、サスペンスあり、ロマンスあり、メルヘン?ありと、超エンターテイメント盛りだくさんなところはいかにもアトウッドです。読み始めると、止まりません。読み終わりたいけど結末が知りたい、となんど繰り返し思ったことでしょう。そして、とうとう読み終わって深い感動に浸っている間も、背筋を走るのは、現実に起きてしまいそうだ、という恐怖です。