『2001』のような高尚さはないが、壮大なアイデア、緊張感溢れるストーリー、個性的なAI達を含む魅力的な人物描写でそれに勝るとも劣らない。また、巨大な建造物を創っていく過程で生じる様々な技術的課題を克服していく様は『楽園の泉』を彷彿させる。ファンタジックな趣きのある前作とは違って本作は徹頭徹尾ハードなSFに仕上がっている。
物語の完成度もさることながらAIの一人として登場するアリストテレス、シーギリヤ・ロックやラストの軌道エレベーターのシーンはクラークファンにはたまらないだろう。