対比の分かりやすさとミステリの要素も味わえる一冊。
★★★★☆
1800年代のイギリスを舞台にしています。
印象的だったのは、’資本家’と’労働者’との対比と、’頭’と’心’の対比です。
’頭’中心主義の親と、’心’中心主義の居候の娘。
実の娘と息子は、’頭’中心主義と’心’中心主義の狭間で揺れ動きます。
この子どもたちの心の葛藤の様子が、とても絶妙に描かれています。
現代に生きる私たちにも、十分に何かを訴えかけてきてくれます。
また、これらと並行して、ある事件の’犯人探し’もストーリーに加わって、ミステリの要素も味わえます。
よい本でした。